オンライン動画配信サービスHulu」にて、全話独占配信中のHuluプレミア「ずっとあなたを待っていました」。第10話では、ジンソン(ナ・イヌ)がジヌ(レン)の母親に接触する様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第10話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】堂々とした態度で、事件当日のことを話すキム・チョルギ“ウノ”

■「ずっとあなたを待っていました」とは

本作は、韓国で注目の若手俳優とベテラン俳優が一堂に会することで話題を呼んだミステリーサスペンスドラマ。ある日、50年間大きな事件が起きていない平和な町で殺人事件が発生し、血気盛んな地元の刑事オ・ジンソンは、検事たちと共に捜査を開始する。そんな中、彼の家族が事件に巻き込まれてしまう。そして事件の真相を追い求めるごとに、自分の家族の隠された秘密や欲望が明らかになっていき、オ・ジンソンは衝撃の真実へとたどり着く――。

キャストには、「哲仁王后 ~俺がクイーン!?~」などのテレビドラマを始めバラエティ番組でも活躍が目覚ましい俳優ナ・イヌが主演の刑事オ・ジンソン役に抜擢。また、「アゲイン・マイ・ライフ ~巨悪に挑む検事~」といった話題作に出演し、注目の若手の1人とされるキム・ジウンが検事コ・ヨンジュ役を、「ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~」のクォン・ユルがヨンジュの同僚検事のチャ・ヨンウン役を、ボーイズグループ・NU'ESTのレンがジンソンの弟・ジヌ役を務めている。

その他にも、ドラマ「愛の不時着」や映画「パラサイト 半地下の家族」などのヒット作に出演するチャン・へジンが主人公の母親ホン・ヨンヒ役を、時代劇「鉄の王 キム・スロ」やドラマ「優雅な一族」など数多くの作品に出演するぺ・ジョンオクがヨンウンの母親ユ・ジョンスク役を演じる。

■“ジヌの死”に、チンジンメディカルセンターが関与している疑惑が生じる

ドクター・チュ(キム・ヒョンムク)から、“チンジンメディカルセンターのウノ(キム・チョルギ)に指示されてジヌ(レン)の監視をしていた”と聞かされたジンソン(ナ・イヌ)は、早速ウノに会いに行くことに。しかしウノは“臨床研究だった”と発言する。事件当日もウジンから車で20分ほどのマンポ港で釣りをしており、近くの水刺身がおいしい店に行こうとしたが、大雨のためドクター・チュに水刺身を注文させていたという。

また、ジンソンたちと交通課から強行犯係に一緒に異動してきたモク刑事によると、ドクター・チュは過去に医療ミスで訴えられたことがあり、その際にチンジンメディカルセンターが後ろ盾になってくれたらしい。その後ジヌと同じ部隊で軍医として働き始め、ずっと監視をしていたとのことだった。ジヌの死に、ウノらメディカルセンターの者たちが関与していると疑いを持ったヨンジュ(キム・ジウン)は、「強大な敵と闘うことになるかも」と察する。

そんな中、ジンソンのもとにギヨンの顧問弁護士で相続人の男が訪れる。その男いわく、ギヨンとはお互いの母親同士が親しく、昔一緒にチンジンメディカルセンターの広告モデルをしていたことがあったそうだ。また以前、ギヨンはその男に相続人になる話を持ち掛けていたという。

ウノたちが“ジヌの死”に関与したという証拠を掴みたいジンソンは、今度はかつてウノが所属していた特戦部隊の関係者に話を聞きに行く。その者によると、ウノは体力テストや武術試験で満点を取り、さらに人を殺す術を学んだ際もかなりの実力者で、英語名で勇敢な男を意味する“アンドルー”と呼ばれていたそうだ。そんなウノは入隊中にある海外の秘密作戦で負傷してしまい、チンジンメディカルセンターに助けてもらった過去を持っていた。

そしてジンソンはふと、現場に落ちていたカフスボタンの購入者リストの中に“アンドルー”という名前があったことを思い出す。ジンソンは慌てて店へ行き、リストのアンドルーの番号にかけると、電話の持ち主はウノ本人であることが発覚する。

またジンソンは、ジヌの脳死日とヨンウン(クォン・ユル)の手術日が近いことなどから、ジヌがウノに襲われた際、偶然チンジンメディカルセンターに運ばれたのではなく、最初からヨンウンへの臓器提供のために脳死させるつもりだったのではないか…と考えるのだった。

■ヨンウンの父親から真相が語られる…

一方その頃、ジヌ宛に母親のマリーから展覧会の招待状が届く。ジンソンが“マリー”について調べるようヒジュに依頼すると、パンフレットの彫刻をヨンウンの家で見たという。そこでジンソンはヨンウン家の建設会社を訪ねることに。すると、そのオブジェは当時建設会社のインターン生だったマリーによって設置されたことを知る。さらに、そのオブジェはジヌが生前に「実の父親の家にある」と話していたものだった――。

ジンソンは早速マリーに会いに行き、“ジヌはあなたの息子か”と尋ねるものの、彼女は一貫して否定。ジンソンが「ジヌは死にました」と伝えたことでマリーは明らかに動揺を見せたが、結局何も教えてはくれなかった。実はマリーはジンソンに会う前、ウノに“オ・ジヌのことは一切口外しない”と、200万ドルの口止め料を支払われていたのだ。

その夜ジンソンはヨンウンを呼び出し、これまで進展した捜査について話をする。“ジヌが自分の異母兄弟かもしれない”と知ったヨンウンは、父親のジョンチョルにマリーのことを尋ねる。するとジョンチョルは、真相を明かし始めた…。

その昔、ジョンチョルは自宅を建設するにあたり、建設会社で商談をしていたところ、当時インターン生だったマリーがやって来た。そこでジョンチョルはマリー一目惚れし、2人は親しくなる。その後しばらくして、マリーから妊娠したと聞かされ、喜ぶジョンチョル。しかし、その話を影でジョンスクが聞いていたのだった――。

弟であるジヌを連行してしまったこと、そしてジヌが連行後も自分に優しくしてくれたことを思い出し、後悔の涙を流すヨンウン。一方、ウノがジヌを殺したと確信したジンソンは、ヨンウンの臓器移植手術の履歴について調べるが、ドナーはおろか手術の記録さえ残っていない状況だった。

対するヨンウンも臓器提供手術を担当した医師に、ジヌが臓器提供をしたとされる患者が「心臓移植は受けていない」と答えたことを伝える。しかし医師は「法律上何も答えられない」と言って、逃げるようにその場から去って行くのだった。

■ジヌ殺害は、ウノの単独犯ではない…?

第10話では、ジヌの心臓がヨンウンに移植されていたことが判明。そしてチンジンメディカルセンターに恩があるドクター・チュに行動や健康状態の把握などを目的に監視をさせ、ウノが軍で鍛えた腕でジヌを殺害、わざと脳死状態にさせて彼の心臓を移植したことが分かった。

ここで気になるのは、この事件の背景や経緯だ。ヨンジュが“ウノの単独犯なのか?”と話していたことや、ウノは作戦で負傷した際、チンジンメディカルセンターに助けてもらった恩があることから、ウノはメディカルセンターの誰かに指示されて犯行に及んだ可能性が高いと考えられる。

そしてチンジンメディカルセンターの権力者と言えば、言わずもがなジョンスクである。ジョンスクは心臓の弱いわが子・ヨンウンを異常に心配し、ドナー候補を探していた。そしてウノに作戦の実行役を命じ、ヨンウンの異母兄弟であるジヌに目を付けたのかもしれない。

ヨンウンは知らぬ間に殺害された弟の心臓を移植され、しかも犯人がこれまで実の兄のように慕ってきたウノとなれば、ショックも大きいだろう。同話の途中で描かれたヨンウンが涙を流す姿は、見るに堪えないものだった…。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「ずっとあなたを待っていました」第10話より/(C)2023 KT StudioGenie.,Co.Ltd