2024年4月4日、World Vaccine Congress 2024(米国, ワシントンD.C. 2024年4月1日~4日)にて、国立大学法人東京医科歯科大学先端ナノ医工学分野内田智士教授が、当社が開発した動物実験用新規投与デバイス「アクトランザ(R)ラボ」を用いた研究成果について講演されました。

 この講演では、動物実験において、ナノ粒子が必要とされてきた mRNAワクチンを、当社のデバイスを用いて裸のまま投与することで免疫を誘導できることが報告されました。

この内田先生の研究されているmRNAワクチンは、LNP (lipid nanoparticle 脂質ナノ粒子)を用いて投与することが不可欠とされてきた常識を覆すワクチンとして期待されています。

本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の研究課題に採択され、現在2026年の臨床試験入りを予定しており、当社としてもヒト臨床用のデバイスを臨床試験に提供できるよう進めてまいります。

 この講演で発表された研究に関する詳細は、「Molecular Therapy」オンライン版(2024年4月3日付)に掲載されています。

 当社は今後も、ライフサイエンス分野全般、および医療機器関連事業の拡大に向けた取り組みを加速していきます。

<本件に関する論文>

Carrier-free mRNA vaccine induces robust immunity against SARS-CoV-2 in mice and non-human primates without systemic reactogenicity

Saed Abbasi, Miki Matsui-Masai, Fumihiko Yasui, Akimasa Hayashi, Theofilus A. Tockery, Yuki Mochida, Shiro Akinaga, Michinori Kohara, Kazunori Kataoka, Satoshi Uchida,

Molecular Therapy, in press

http://doi.org/10.1016/j.ymthe.2024.03.022

<World Vaccine Congress 2024での報告>

Thursday April 4, 2024 COVID & Beyond, Day 3 - Room 207A 10:10

Cutaneous jet injection of naked mRNA for safe and effective vaccination against infectious diseases

Presenter: Dr Satoshi Uchida M.D., Professor,

Tokyo Medical and Dental University (TMDU), Department of Advanced Nanomedical Engineering, Medical Research Institute (representing Daicel)

ジェットインジェクター「アクトランザ(R)ラボ」について>

当社は長年にわたって、世界中の自動車に搭載されているエアバッグのために瞬時に、確実に、安全にエネルギーを生み出す「One Time Energy(TM) DAISI」というエネルギー制御技術を開発してきました。「アクトランザ(R)ラボ」はその技術を応用した、針を用いることなく薬液を特定の組織内に高速ジェット流で送達する新規投与デバイスです。動物モデルを用いた研究では、従来の針を用いた注射器と比較して極めて薄い組織も標的にできるなど送達場所の正確さに加えて、遺伝子発現の増強効果が報告されています。皮内には筋肉内に比べ免疫担当細胞が豊富に存在することから、ワクチンの効率を高めることが期待できます。

※ One Time Energy(TM) DAISI: https://www.daicel.com/safety/daisi/

※「アクトランザ(R)ラボ」: https://www.daicel.com/business/new-solution/actranza/

配信元企業:株式会社ダイセル

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