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 LINE WORKSは社内だけでなく、他社が使うLINE WORKSともつながることができる。取引先や同じプロジェクトに関わる外部の人たちとLINE WORKS上でやりとりできるようになるのだ。

 現場ごとに複数の関係会社が関わることの多い建設業でLINE WORKSの連携事例が増えている。今回は公共工事を手がけることの多いビッグルーフ社、同社の下請けや協力会社として作業することの多い皆進社と三光エンジニアリング社の3社で、LINE WORKSを導入した業務の現場について語ってもらった。

異なる会社でLINEを交換するのは抵抗感があった

 ビッグルーフは防水工事からスタートし、今や民間から公共事業まで幅広く建築に関わる。話を聞かせてもらうにあたり、同社からDX関連を担当する直井氏、建築現場でプロジェクトを円滑に進めるためのマネジメントを行なう吉成氏の2名に来てもらった。そしてビッグルーフが元請けとなった公共事業において、機械設備や空調管理などを手がける主力の協力会社 皆進の恒遠氏と、建物の照明や外階段の目隠しなど幅広く金属設備を手がける三光エンジニアリングの瀧野氏、吉田氏にも同席してもらい話を聞いた。この3社はLINE WORKSを活用することで、会社外を巻き込んだ円滑なコミュニケーションを実現している。

 旗振り役のビッグルーフがLINE WORKSを利用し始めたのは、2022年の12月頃だ。ビッグルーフの直井氏は、「有償プランに変えてから社内でも『便利だね』という声が上がりメインで使うようになり、社内のコミュニケーションがほぼスマホでできるようになりました。社員のケータイガラケーからスマホに変わったタイミングとも重なりました」と語る。社内で一気に普及したということもあったので、かなり早い段階から関係会社といっしょに使った方がよいという意見は出ていたようだ。

 もともと関係会社とのやりとりには、メールや電話が使われていた。連絡ミスや遅延などもあまり発生しておらず、少なくとも電話であれば必ず連絡がとれるという状況はできていたという。「そもそも電話がつながらないとか、返事がしばらく来ないとかっていう人は現場との接点が薄くなります」とビッグルーフの吉成氏は語る。

 とはいえ、異なる会社の従業員同士がLINEを交換することには抵抗感があった。三光エンジニアリングの瀧野氏も「やはり常識的に考えて、LINEはプライベート感が強いですよね。LINE IDを教えること自体が公私混同と思われたのか、仕事の話がなくなってしまったケースもありました」と語る。こうしてLINE WORKSで関係会社をつなぐことになった。

懇親会でLINE WORKSをユーザー登録

 そんな3社がLINE WORKSでつながったのは、懇親会の場だった。吉成氏が手がけた大型のプロジェクトの打ち上げで、ユーザー登録したという。とはいえ、会社や個人でやりとりできる情報は異なるので、3社のメンバーがひとつになったトークルームは設けておらず、トークルームの「使い分け」を重視している「全体だと最大公約数的な情報しか流せないので、見積りの確認用などいくつかのトークルームを使い分けています。ただ、それはLINEでも一緒ですよね」と吉成氏は語る。

いつでも連絡が取れる体制に安心感を抱いたり、気持ちが楽に

 LINE WORKSの良い点は、メッセージが通知されるので、情報が受動的に入手できるところ。また、既読がわかる※1ため、誰が見ているか、情報が伝わっているかも把握できるという点だ。皆進の恒遠氏は「電話しなくても気軽にコミュニケーションをとれるようになったので、気持ち的には楽になりました」と語る。三光エンジニアリングの吉田氏も「急ぎの時はメールや電話も送ってしまいますが、既読が付くときちんと伝わったことがわかって安心※1できます」とコメントする。

※1 外部ユーザー(外部LINE WORKSユーザーとLINEユーザー)を含んだトークルームでは、既読メンバー数の確認はできますが、既読メンバーと未読メンバーの確認はできません。

 また、建設業では現場の状況を写真で見てもらえるのが大きい。直井氏は、「電話だけだと口頭だけ、メールであれば一応写真は送れますが、あとでやっぱり電話での補足が必要になります。その点、LINE WORKSだと写真を送って、状況を説明すればそれで済みます」と語る。土日の作業でも、完了報告の写真が1枚送られてくるだけで、マネージャーは安心できるし、写真に書き込みすれば指示書代わりにもなるため重宝しているという。進捗管理を担う人にとって、認識合わせを手軽にできることは重要な安心材料だろう。

 ビッグルーフの社内では、スタンプもヘビーに使われている。「うちの部門長が一番ヘビーユーザーなんじゃないかくらい、スタンプを活用してくれています」(ビッグルーフ 吉成氏)、「『おさまり』とか、『着工しました』といった業界用語のスタンプも欲しいです」(ビッグルーフ 直井氏)。トップが積極的に使っているため、若手も親しみやすさを感じているようだ。

 公共事業が多いため、今後は役所ともつなぎたいという。「今でもやりとりはメール中心なんです。でも、ccに入っている人たちまで読んでくれたかわからないし、Toの人が反応してくれないとコミュニケーションが進まなかったりして、やはり不便です。LINE WORKSを使って、役所や設計事務所の方々、定例会のメンバーまで入れて、役所の発信内容をきちんと確認できるようになったら便利ですね」と吉成氏は語る。

建設会社同士がLINE WORKSでつながる。圧倒的な利便性の向上!