【写真・画像】 1枚目

 将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦七番勝負が4月10・11の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で第1局の対局が行われ、藤井名人が141手で勝利を飾った。開幕局は異例の大激戦に。藤井名人が“勝ち確”ポーズを見せた後、一気に白星をもぎ取る様子に、解説者もファンも悲鳴を上げた。

【映像】ふわりと口元に拳を…“勝ち確”ポーズ 一連の流れ

 現名人VS元名人による注目のシリーズ開幕戦は、超ドラマチックな大激戦となった。藤井名人の先手番となると、豊島九段は横歩取り模様の力戦へと誘導。「指してみたい形だった」と用意した作戦を藤井名人へぶつけた。序盤戦では、大駒が飛び交う華々しい戦いへと発展。藤井名人は「序盤はあまり想定していない展開になり、一手一手難しいと思いながら指していた」と豊島九段の作戦に苦心した様子だった。

 じりじりとした戦いの中で、先に踏み込んだのは豊島九段。2日目の昼食休憩明けに角を手放す決断の一着から、一気に決戦へとなだれ込んだ。藤井名人もひるむ様子はなく堂々と戦いに応じると、緊迫の激戦へ。一進一退の攻防からリードを豊島九段だったが、時間を使うことなく香打ちを選択。この一手から、ABEMAの「SHOGI AI」は大きく藤井名人側に傾くこととなった。

 巡ってきた好機を藤井名人は逃さない。前傾姿勢で右肩を落とし盤をのぞき込むような姿勢から、ぎゅっと握った右手を口元に当ててフッっと一息。ABEMAの中継に出演していた佐藤康光九段(54)は、この仕草を一目「あ、このポーズは危険です!このポーズは何かを発見している雰囲気が…」。“勝ち確定”とも言えるポーズ解説の後、鋭い視線の藤井名人は桂馬をピョン。「うわ~!受けだけでなく、このスマッシュが詰めろになっているんだ…。でも気づいた時にはちょっともう修正がきかないという…」。佐藤九段は挑戦者目線で絶望の心境を解説した。

 超難解な終盤戦での逆転劇に、ファンも大混乱。「なんでやー!」「これが名人の将棋だ!」「神だ」「そうた おそろしい子」「流行語 スマッシュ!」「は?なんで逆転してんの?w」「人間の限界だ。仕方がない。」「いつから読んでたんだ」「感動して涙出てきた」と様々な反響がコメント欄に押し寄せていた。

 藤井名人は終局後のインタビューで、「桂と跳ねて駒を活用しながら攻めの形ができたので、そのあたりで初めて良くなったのかなと感じました」とコメント。訪れたチャンスは絶対に決め切る。そんな藤井名人の強い意志が現れたような一手だった。

 勝利後にも「内容的には押されている時間が長かった」と語った藤井名人だったが、攻守の絶妙なバランス感覚が結実したからこそ手にした大きな白星。「まずはしっかり振り返って、次に繋げられればと思います」と次戦を見据えた。

 熱戦必至の第2局は、4月23・24日、千葉県成田市の「成田山 新勝寺」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

藤井聡太名人、恐怖の“勝ち確”ポーズ?解説者「これは危険です!」「気づいた時にはもう…」名人戦第1局で衝撃の逆転先勝