来シーズン途中からプレミアリーグで導入することが決まった『半自動オフサイドテクノロジー』は、試合を円滑に進める効果が期待されるようだ。11日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 11日に行われた株主総会全会一致となり、来季途中からプレミアリーグで導入することが決定した『半自動オフサイドテクノロジー』(通称SAOT)。国際サッカー連盟FIFA)は、『FIFAワールドカップカタール2022』で初めて同システムを正式運用しており、同リーグでは秋のインターナショナルブレイク後に技術導入の準備が整うと予想されている。注目が集まる『半自動オフサイドテクノロジー』は、光学的な選手トラッキングに基づき、仮想オフサイドラインをより迅速かつ一貫して配置し、高品質の放送用グラフィックを作成するシステム。リーグ側は今回の新システム導入により、「サポーターのスタジアム内や放送での体験をより充実したものにする」と主張している。

 この『半自動オフサイドテクノロジー』はジャッジの正確性向上に加え、試合を円滑に進める効果も期待できる模様。同メディアは、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるオフサイドのチェック時間を31秒短縮できると説明しながら、試行された2021年のアラブカップとクラブワールドカップでも判定時間が70秒から25秒に短縮されたと指摘した。

 一方で、オフサイドポジションにいる選手がプレーを妨害しているかなど、主観が影響する判定については、これまで通り審判の判断によって裁かれる。なお、来シーズンに行われるプレミアリーグ所属クラブが主催するFAカップの試合や、『ウェンブリー・スタジアム』で行われる準決勝と決勝にも『半自動オフサイドテクノロジー』を導入することが目標の1つに掲げられているようだ。

『半自動オフサイドテクノロジー』の導入が決まったプレミアリーグ[写真]=Getty Images