日本電信電話(NTT)とNTTデータグループは4月12日イギリスおよびアメリカ国内においてNTTグループ保有のデータセンター間をIOWN APNで接続する実証を実施した結果について発表した。

この実証では約100キロメートル離れたデータセンター間をIOWN APNで接続し、両拠点間の通信を1ミリ秒以下で実現できたという。この結果は同一のデータセンタと同等の統合ITインフラとして機能する水準であり、分散型リアルタイムAI分析や金融分野への適用可能性も示唆されるという。
○実証の概要

イギリスではへメル ヘムステッドのHH2とダゲナムのLON1の2つのデータセンターを、アメリカではアッシュバーンのVA1とVA3の2つのデータセンターNECのAPN機器で接続し、それぞれデータセンター間の往復遅延および遅延ゆらぎを測定した。

実証実験の結果、400ギガビット/秒の通信において、両データセンターを1ミリ秒未満の遅延かつ1マイクロ秒未満の遅延ゆらぎで接続できた。イギリスにおいては、通常は今回の実証と同程度の距離があるデータセンター間通信における遅延が2ミリ秒を超えるとのことだ。また、一般的なレイヤ2スイッチにより構成された従来のネットワークでは、数マイクロ秒から数十マイクロ秒の遅延ゆらぎが発生する。

大手のクラウド事業者では同一のデータセンターとして扱える条件が2ミリ秒以内と規定される。今回の計測により、一般的なクラウドアプリケーションで想定されている遅延と遅延ゆらぎを下回る結果を確認できたとのことだ。
(熊谷知泰)

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