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12日放送のNHK連続テレビ小説虎に翼』で、田中裁判長(栗原英雄)が読み上げた判決主旨の「権利の濫用」というワードが話題となっている。

 

■「権利の濫用」が判決の鍵に

なかなか離婚裁判の決着がつかない夫婦の妻側が“嫁入り持参品の返還”を求めた裁判の判決を聞きに、裁判所へ訪れた寅子(伊藤沙莉)たちは、主文「被告は原告に対し、別紙、目録記載の物品を引き渡すべし」が読み上げられると驚きと喜びの表情に。

寅子たちが法学者・穂高教授(小林薫)の率いる学生ということで、田中裁判長は特別に判決の主旨を述べる。

その内容は「夫婦生活が破綻を生じた事情において、妻が形見の品かつ日常生活に必要な品々の返却などを請求することに対し、夫がそれを拒絶することは法に規定されている権利の濫用と言わねばならず、夫としての管理ばかり主張するのは明らかに妻を苦しめる目的をもってのことにほかならない」というものだった。

 

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■“共同親権”とリンクする人続出

すると視聴者から「『権利の濫用』こういう言葉を待ってました~。しっくり来ました!!」「妻の財産を管理するというのは保護する目的であり、返さずに苦しめているのは権利の濫用。腑に落ちた」「管理権及ばず、ではなく、権利の濫用と。納得でした」などと声が上がり、X(旧・ツイッター)では「権利の濫用」がトレンド入り。

「共同親権法案の審議と今日のご夫婦の離婚と動産引渡し裁判がリンクする」「タイムリーすぎる」「共同親権もこれだー!」といった声が上がり、ちょうど同日に衆議院法務委員会で「共同親権」の採決を予定されていたことから軒並みトレンド入りしていた関連ワードと並んだ。

なお同法案についてはその後に可決。来週にも衆院を通過し参院に送られる見通しだという。

 

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■「すごい引き合わせ」の声

「共同親権」は今の単独親権に加える形で導入し、父母の協議によって単独親権か共同親権かを決定。合意できない場合は家庭裁判所が親子の関係などを考慮して単独親権か共同親権か、単独の場合はどちらを親権者にするか決定する。

DVや子どもへの虐待があったと家庭裁判所が認めた場合、共同親権ではDVや虐待が続くおそれがあることから単独親権となるが、DVや虐待が認められるには証拠が重要。

寅子のクラスメイト・山田よね(土居志央梨)も10、11日の放送で「着物なんて取り返せる訳がない」「(DVの)証拠がない」と発言しており、リンクした視聴者は多いよう。

「まさに権利の濫用を後押しするような共同親権が話題になってる今、圧倒的に女性に不利な旧法のもとでの離婚が描かれたのはほんとすごい引き合わせ」「権利の濫用、まさに今それが起こりそうなときに、よくこれを放送してくれました! と思いました」との声が上がっている。

『虎に翼』のDV離婚裁判がタイムリーすぎると話題 “共同親権”物議のなか「よく放送してくれた」の声も