いまをときめくハン・ジヒョン×ペ・イニョクが主演の青春ラブストーリー「チアアップ」。同作が4月18(木)夜11:00から衛星劇場で日本初放送される。今回、主演を務めたペ・イニョクのインタビューが到着。ジョンウを演じる上でのこだわりや、共演するハン・ジヒョンの印象など、たっぷりと語ってもらった。

【写真】「ペントハウス」出演女優ハン・ジヒョンのチアガール姿

■ジョンウを演じる上で心がけたことは“感情を表に出さないこと”

――本作に出演を決めた理由を教えてください。

「チアアップ」のオファーをいただいたとき、チアリーディングをテーマにしたドラマを見たことがなかったのでとても新鮮だと思いました。こういうジャンルのドラマがどのように表現され、視聴者がどんな反応を見せるのかも気になりましたし、経験したことがないものに対するチャレンジの気持ちが大きかったので引き受けさせていただきました

――テイア団長のパク・ジョンウというキャラクターに魅力を感じたのは具体的にどんな部分ですか?

ある集団のリーダーというところでしょうか。リーダーシップを発揮して大勢をまとめなければいけないキャラクターなので、ドラマ上でも良いから1度カッコよくみんなを引っ張ってみたいと思いました。あとジョンウはとても芯のある人物です。そういう姿に魅力を感じましたね。

――応援団の訓練はハードだったと思いますが、役作りをするうえで心がけたことは何でしょうか?

感情を表に出さないよう心がけました。ジョンウは感情の起伏が激しくない人物です。とても現実的で、冷静に判断しようとする性格なので、普段からあまり感情的にならないよう努力したのですが、とても大変でした。

応援団の練習は、クランクインする3~4カ月前からみんなで一緒に始めました。僕は団長なので、みんなより力強くエネルギッシュな姿を見せなければいけない状況でした。だから団員達より早めに練習を始めたんです。専門家から個人レッスンを受けたので少しずつ身についていきましたし、一般的なダンスとは違うエネルギーが必要で、表現の仕方や使う筋肉も違ったので、体力をつけようと努力しました。自分たちでやってみて大変だったけれど、そこから湧いてくる言葉では言い表せない感情があるので魅力を感じる人も多いんだと思います。

――2022年SBS演技大賞では、新人賞を始め、テイアがベストチームワーク賞も受賞しました。まず受賞された感想と、次にチームワークの秘訣をお聞かせください。テイアで歌ったOSTも話題でしたね。

両方とも、すごくうれしかったですが、個人的にベストチームワーク賞を受賞したときのほうが興奮しました。新人賞をもらった時は、動揺して何を話そうかと戸惑いましたが、ベストチームワーク賞のときはとてもわくわくしながら受賞できました。

両方を続けて受賞したので、そんなに時間が空いたわけではなかったのですが、数分の間に気持ちが落ち着いたような気がします。真夏に暑い服を着て汗を流しながら、ほとんど寝ずに練習した時間が報われるような気がしました。

チームワークの秘訣は、団長の僕ではないです(笑)。とにかく出演者の方たちがみんなエネルギッシュで逆に僕がエネルギーをもらうほど、みんなのテンションが高くてエネルギッシュだったので、それぞれの色が合わさった時に本領を発揮できたのだと思います。

OSTについては、録音スタジオで本格的にレコーディングしたのは初めての経験でした。カラオケで歌うのとはまた違ってとても難しかったです。ヘッドセットをつけて歌ったのですが、カラオケとは全然違うので戸惑いました。レコーディングの時、それぞれのスケジュールが合わなかったので別々に録音したのですが、僕はチョヒ役のチャンギュリさんと一緒に録音しました。ギュリさんはアイドル出身で経験があったので、いろいろと助けてもらいましたね。

――演じられたパク・ジョンウとご自身とのシンクロ率は?

放送していた年にいろいろインタビューを受けながら、1番多く受けた質問ですが、シンクロ率はそんなに高くないと答えたと思います。今考えても、ジョンウは同年代の子にはない大人っぽさや奥行きのある人物だったので、似ているのは50%くらいでしょうか…。

■ハン・ジヒョンとのシーンはアドリブ多め

――最初はぶつかり合っていたヒロインのト・ヘイを演じたハン・ジヒョンさんと共演してみていかがでしたでしょうか?

ジヒョンさんは、ドラマのキャラクターと同じでとてもエネルギッシュな方でした。ヘイを演じたからではなく、ハン・ジヒョンさん自身が常にエネルギッシュで、ぐったりするわけでもなく、ポジティブな方だったので、一緒にいる僕も気分が良くなるし、テンションも上がって、疲れていても頑張れる力をもらいました。

――ハン・ジヒョンさんとのエピソードを可能な範囲で教えてください。

ジヒョンさんは、とても自由奔放な方です。さばさばして明るい性格なので、撮影のときにも柔軟でアドリブをたくさん入れていました。後半ではジヒョンさんのアドリブのおかげで、とても面白いシーンがたくさん生まれました。

ジヒョンさんがアドリブを入れたら、僕もそれを返すので、実際にカットされず本編で使われた場面がたくさんあったんですよ。明るいエネルギーのおかげで面白いシーンがたくさん誕生したのではと思っています。ジヒョンさんは、瞬発力が高くてセンスが良いんです。

――イニョクさんが演じていて、劇中でジョンウにとってヘイが気になる存在になった瞬間はいつだったと思いますか?

最初は、ヘイは今まで出会ったことのないタイプの人物で、自分にこんな風に接する人は初めてだったから、ただただ物珍しかったのだと思います。気になり始めたのは、序盤でヘイが元カレとケンカしているところを僕が止めに入って、そのあと階段で泣く彼女を慰めながら会話するシーンがあるんですけど、そのとき少し心が開いたと思いますね。

■視聴者の中で「ジョンウ派とソンホ派が分かれているのを知っていた」

――恋敵チン・ソンホを演じたキム・ヒョンジンさんと共演してみていかがでしたか?

笑い話ですが、放送当時にはジョンウ派とソンホ派が視聴者の中で分かれていて、役者たちもそれを知っていました。ソンホ役を演じたヒョンジンさんに感謝しているのは、結局のところジョンウと結ばれるけれど、ソンホとのライバル関係があってこそジョンウ派の視聴者もドラマを楽しめるし、ジョンウとヘイが結ばれたときのシーンが生かされると思うんです。

ソンホ役のヒョンジンさんがすばらしい演技をしてくれたので、ジョンウとヘイのシーンがすてきなものになったと思っています。とても楽しかったですね。共演するシーンも多くて、ドラマではよくケンカもしました。背が高くてがっちりしているんですけど、実際はクマさんのようでかわいらしい人なので、楽しく撮影できました。

――恋敵として考えた時、ソンホよりジョンウのここだけは負けないと思うものは?

人に対する気持ちかな? それだけはジョンウのほうが勝っていると思います。ソンホは軽い気持ちで応援団に入ったけど、ジョンウは人の気持ちを弄ばない性格だし、そんな人でもありません。ジョンウのそういうところが、ソンホに負けない点だと思います。

――もしイニョクさんがヘイだったとしたら、ジョンウとソンホのどちらを選びますか?

撮影中も、論争が絶えない話題でした。ヘイの立場からすると、平凡な生活をしていたら当然ジョンウかもしれないけど、ヘイは経済的に苦しくて誰か頼れる人が必要だと思ったので、ソンホのほうがふさわしいんじゃないかと思ったことがあります。

実は、ジョンウも余裕がない人物なんです。精神的にも経済的にも。その反面、ソンホはお金持ちだし精神的に癒してあげられる余裕があります。だからヘイにとってはソンホが必要なんじゃないかと思ったりしました…が! 愛する気持ちを無視することはできません。たとえお金やいろいろなものを持っていたとしても、心は何ものにも代えがたいと思います。

――テイアは応援団内恋愛禁止でしたが、もしイニョクさんがジョンウ&ヘイと同じ状況に置かれたら、ルールは守りますか? それともバレないように恋愛しますか?

バレないように恋愛する! なぜなら、もちろんルールはルールだけど、その年代だからできる恋愛があると僕は思っています。学校での恋愛、会社での恋愛、大人になってからの恋愛がそれぞれ違うように、20代頭に感じる初々しくてお互いが全てだと思う感情は、その年代で感じるべきだと思っています。だからバレないように恋愛する! でもルールは守らなきゃいけないですよ?

■お気に入りのシーンは“ヘイに声を荒げるシーン”

――今も在学中ではいらっしゃいますが、学生時代に何かに夢中になったものはありましたか?

実は、中学生の時はサッカー部に所属していて、夢中でサッカーをしていました。高校2年生までは、チームを組んで大会にも出ていたんです。でもそれ以降は、芸術高校に転校したので大学受験に集中するようになりましたね。自分の人生で1番一生懸命生きた時期です。

サッカーは今でも続けていますが、撮影中はちょっと不安なので控えています。僕がケガをしたら全ての進行がストップしてしまうので。なので、最近は本気でサッカーをせずに、有酸素運動をする感じで軽く楽しんでいます。ケガもケガですけど、スタッフや周りに迷惑をかけてしまうので。

サッカーは幼い頃から好きで、自分でプレーするのも見るのも好きです。中学の時にサッカー部に入って、大会に出たり練習した経験で、達成感や負けん気などを感じることができたので楽しかったですね。

――演じられていてご自身が楽しみにしていたシーンはありますか?

ヘイとの感情を交わすシーンも楽しみにしていましたが、やはり合同応援戦や応援団として踊りを披露するシーンを1番楽しみにしていました。僕たちは制作者側なので、果たしてテレビやメディアに映った場面がどのように表現されるのか気になりましたね。思った以上にすばらしくて、華やかに表現されたので、監督の演出力はすばらしいと感激しました。

代役は使いませんでしたが、撮影当時は代役を使えたらいいなと思っていました。大変だったからではなく、代役の方が演じればもっとカッコよく表現できるだろうに…と思っていたんです。でも全て自分たちが演じたからこそ、こみあげてくるものもあったし満足できましたね。

――ご自身のお気に入りのシーンもあれば教えてください。

中盤のエンディングだと思うんですが、ヘイがいなくなって探し回るシーンがありました。やっとヘイを見つけて、怒りとも言えない怒りを感じながら彼女に声を荒げるシーンです。本当に怒っていたのではなくホッとした気持ちの表れというか…。そのシーンが1番記憶に残っていますね。

感情もうまく表現できたし、美しいシーンに仕上がったので。ジョンウがヘイに対する自分の気持ちを確信するきっかけになった出来事だと思います。

――印象に残っているセリフなどはありますか?

セリフとは言い難いですが、本当に記憶に残っているのは、数えきれないほど叫んだ「ヨンヒ喊声(かんせい)発射!」というセリフです。踊りの最中に学生たちに向ける掛け声なんですが、そのセリフが1番印象に残っています。心を動かすような美しいセリフより、団長であるパク・ジョンウを演じた自分としてはそのセリフが記憶に残っています。

■休みの日もチアリーディングの練習

――撮影裏話や、空き時間の想い出など、撮影エピソードを教えてください。

休みの日にはほとんどチアリーディングの練習をしていたので、休みの日さえも見慣れた仲間と汗を流しながら練習していました。今でも楽しい記憶として残っているのは、じゃんけんで負けた人が飲み物やコーヒーを奢るみたいなことをしていたんですけど、単に賭けが楽しかったんじゃなくて、辛いときでもささいな楽しみを見つけて、何でもないことに爆笑した出来事が楽しい記憶として残っています。

――本作はペ・イニョクさんにとってどんな作品になりましたか?

正直に言うと、本当に苦労した作品でした。なぜなら、演技以外にも経験したことのない分野に気を遣わなければいけなかったからです。実際の大学の応援団を背景にした作品なので、気を遣う部分が多くありました。ひとつひとつの表現にも気を付けたり、調べることも多かったです。

実際の応援団の方たちと会ってたくさんアドバイスやコツを聞いたり、調べ物をしたりと、色んな意味で苦労した作品でした。マイナスの意味ではなく、良い意味として辛い経験を通じてたくさん学べたし、それだけ真剣に臨んだ作品ですね。

――ドラマの撮影がクランクアップした後にする習慣はありますか? どのようにドラマと日常を切り替えているのでしょうか。特に2022年は作品が重なって大変だったと思います。

作品が終わって1番大きな変化は睡眠時間です。今までの疲労と不足していた睡眠を解消しようとするタイプなんです。次のスケジュールを準備するためには、ある程度体力をつけないといけないので、ゆっくり休むようにしています。運動もしていますが、2022年は休んだ記憶がほとんどないので、最近になって休むことが1番だと感じました。

2022年は4作品に出演させていただいて、同時進行で色んな作品を撮影していました。幸い全て別のジャンルで、時代劇もありましたし、映画『リメンバー・ミー』は昔の時代が背景だったし、「なぜオ・スジェなのか」「チアアップ」は完全にキャラクターの性格が違っていました。現場に行くと、環境や場所や服装も全く違ったので、その時その時キャラクターを切り替えなければならないプレッシャーや苦労はありませんでしたね。

――本作の見どころを教えてください。

「チアアップ」は、学生や現役の大学生や大人たちも楽しめる作品だと思います。まだ大学生ではない学生たちは、このドラマを通じて大学生活へのロマンや憧れなどを感じられるだろうし、大学生はこのドラマの現実味のあるシーンを通じて共感できる部分も多いと思います。

また大人たちは、自分の大学生活や学生時代を思い出しながら懐かしさを感じることができる作品になっています。学校生活に注目してもらえたら、リアルを感じて楽しめる作品だと思います。

――日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。

皆さん、こんにちは。ペ・イニョクです。とても面白くて温かいドラマなので、皆さんもドラマを通じて昔の記憶を思い出したり、共感したり、ロマンを感じることができるドラマであってほしいと思います。「チアアップ」ぜひ見てください。

ペ・イニョク/(C) 資料・写真提供/PLAN Kエンタテインメント