「立華かなで」は、死後の世界において“死んだ世界戦線”に敵対する者として登場しますが、その原因は人にあらざる能力の持ち主であることに起因しています。彼女の腕から派生する「ハンドソニック」といわれる刃を「仲村ゆり」をはじめとする初期の戦線メンバーが目にした時、その異常な能力に対して「天使」と位置づけ、神の使いであると誤解を与えてしまいます。多くを語らないその性格も相まって、その誤解を解くどころかますますこじれていくばかり。

また、彼女は死後の世界における学校の生徒会長を務め、その模範的な行動であるにも関わらず成仏していないことから、人間ではないという認識も与えてしまっていました。この世界において、迷い込んだ人間のほとんどが生徒会長である彼女から、ここは死後の世界であり、きちんとした生活を送れば報われるからと諭されています。今回は、そんな一人で孤独に戦う「立華かなで」の魅力に迫っていきたいと思います。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■多くを語らないその行動の真理と想い

 彼女は決して多くを語りません。その理由を求められても、答えに迷ったり言葉が出ないことが多く、一人静かに戦線との戦いに明け暮れています。生徒会長という立場上、規律を乱す彼らの行動を見過ごすことが出来ないのがその理由です。

 彼女は、どうにかしてこの世界から皆に旅立って(成仏して)欲しいと思っているわけですが、その裏にはかつて彼女に接してきた人間が楽しい学園生活を謳歌し、その未練を晴らして旅立っていくのを何人も見送ってきたから。満足した顔で消えていったかつての友だちのように、戦線のメンバーにも同じように旅立って欲しいと願っているわけです。

■好物は激辛麻婆豆腐!?

 彼女がいつも学園の食堂で注文するのは、誰も手を出さないことで有名な激辛の麻婆豆腐です。一口食べただけで火を吹きそうな辛さであるにも関わらず、顔色ひとつ変えずに「うまいわ」と、平然とした表情で平らげます。音無がかなでに麻婆豆腐をご馳走すると言った時も、昼休み以外の食事は校則違反であることを忘れるほどに、好物であることが分かります

■彼女がこの世界に留まる理由

 彼女自身は、通常ならば成仏してしまうような健全な学園生活を送っています。にも関わらず、この世界にとどまっているのは「彼女なりのこの世界にいる理由があるからでしょ」と仲村ゆりは語っています。

 事実、彼女は生前重い心臓の病気を患い、移植しなければ助からない身であったと言い、ドナー提供された心臓で生きながらえたと語っています。しかし、それでも彼女は長く生きることは叶わなかったようです。自身でも卒業式をしたことがないと言っている通り、小学校の高学年あたりで亡くなっていると思われます。それに対して彼女は、自分に青春をくれた人にお礼が言えなかったことが心残りだったと・・・。待ち続けた彼女の健気な想いには胸を打たれますね。

 かなでは、ドナー提供された心臓は音無のもので、本能的に分かったと告げています。おそらくですが、音無がこの世界に迷い込むまでには相当な年月が経過していたと推察されます(時間的矛盾があると言われることもありますが、この世界に入り込むまでの時間に個人差があることを考えると説明ができます)。そんな彼女が、想いを遂げて旅立っていく瞬間は、どうしたって涙せずにはいられません。

 非常に有名な感動作品ではありますが、まだ観たことがないという方は、ぜひ一度ご覧になって頂き、「立華かなで」の切なくも美しい魅力に心打たれてみてはいかがでしょうか?


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★記者:もんきち(キャラペディア公式ライター)

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