えーちゃん食堂

昨今、都内では“早朝営業開始”という変則的営業のラーメン店が人気を集めている。朝8時ごろには大行列という情報を聞き、現場を確かめに行ってきた。

 
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■地元の人気店「えーちゃん食堂」

えーちゃん食堂

東急目黒線「不動前」駅から徒歩約10分。中目黒に伸びる山手通り沿いにラーメン専門店「えーちゃん食堂」はある。営業は朝6時半ごろから11時までの約4時間半。一般的なラーメン店と比べるとだいぶ朝型の飲食店だ。

JR目黒駅からも行けない距離ではないが、だいぶ歩く。そんな場所でも、同店自慢のラーメンを求め早朝から多くの客が当地を訪れているのだ。

 

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■常連さんたちで満席

えーちゃん食堂

記者が到着したのは9時。カウンター6席からなる店内はすでに満席で、外には5人ほどの行列ができていた。並んでいるのはスーツ姿のビジネスマンに加え、常連客と思われる男性客とマダムだ。

1人客が出てくると、一拍置いて並んでいる1人が中に入る。注文は店内券売機で食券を購入するスタイル。通い慣れているのか、マダムは「麺少なめでお願いね」と店主に食券を渡していた。

 

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■シンプルなメニュー構成

えーちゃん食堂

メインメニューは「ラーメン」(1,000円)、「チャーシューメン」(1,400円)、「つけめん」(1,000円)など。

メンマワカメ、ホウレン草などのトッピング、さらには時期によって期間限定麺があり、4月は大山どりラーメン、国産金目鯛開干しラーメン、フランス生ハム原木塩ラーメンを1日限定メニューとして予定しているそうだ。

注文から約5分、阪神タイガースの帽子をかぶったご主人が、「お待ちどうさま」と目の前に置いたのは、魚介の優しい香りが漂うじつに美味しそうな醤油ラーメンだった。

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■10時すぎには品切れ…!

えーちゃん食堂

スープは魚介の深いコクが出ており、表面には透明な旨味のエキス。こちらは動物系で取った出汁とのことで、もちもちの噛み応えある中太麺が良く絡み合い、スープに溶け込んだ旨味を同時にすすり上げることができる。

絶妙なコリコリ食感がウマい細切りメンマ、そしてあっさりスープと対比するかのように濃厚で脂が乗ったチャーシュー。どこかノスタルジックさも感じるハイレベルな醤油ラーメンは、あっという間に記者の胃袋へ消えていった。激ウマい…。

食べ終わるとちょうど10時。記者が外に出てくるのと同時に、店主も慌てて外に出てきて「売り切れ」の看板を出していた。

 

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■朝からほっこりムード

えーちゃん食堂

日々タスクに追われ、精神的な余裕を作るのも難しい現代社会。会社、学校、電車と、早朝のタイミングはどこもギスギスしがちだ。

しかし、この店の雰囲気はそんな気持ちを忘れさせてくれる。ニッコニコで丁寧なご主人が、お客一人一人に「天気悪い中ありがとうございます!」と笑顔で挨拶。ほっこりした空気が常に流れているのだ。

それに呼応するように、客も笑顔で「ごちそうさま」と丼をカウンターに上げて帰っていく。そんな朝から人気のラーメン店、味はもちろん、ご主人のお人柄もファンを魅了しているように感じた。

朝から大行列の「変則的」ラーメン店、行ってみてわかった料理と同等の“魅力”