Blackmagic Designは、12G-SDIおよびSMPTE-2110 IPビデオ入力の両方を搭載したUltra HD放送モニター「SmartView 4K G3」を2024年5月に発売する。希望小売価格は税込204,800円。

同機種は、IPベースの放送システムや2160p60までの様々なプロ仕様の12G-SDIビデオ機器に直接接続できるため、放送やライブプロダクションに最適なソリューション。3D LUTや、フォーカスピーキング、フレームガイド、セーフエリアなどのモニタリングコントロールも搭載。

SmartView 4K G3は、光接続と同軸のSMPTE-2110 IPビデオ接続が内蔵されているので、IP放送システムに直接接続できる。また、12G-SDI入力を2つ搭載しているので、様々なプロ仕様のビデオ機器に接続可能。12G-SDIおよびST 2110 IPビデオ入力の両方から、12G-SDIループ出力接続に出力できる。

SmartView 4Kは極めて丈夫なアルミ削り出し設計で、デザインはシンプルで近代的としている。また、SmartView 4Kの厚さはわずか数センチ。多くの場合、モニターは機材ラックの一番上に設置されるが、この薄型デザインにより、モニターの後ろが広く空くため、ラック全体が良く換気され、すべての機材が熱くなることを防げる。SmartView 4Kの底部には様々なボタンが並んでおり、押しやすいようにわずかに角度がついている。モニターの背面にはビデオ接続が搭載されており、VESAマウントポイントにも対応。

ブラックマジックデザイン、「SmartView 4K G3」発売。を発表SMPTE-2110 IPおよび12G-SDIビデオ接続を搭載した初のラックマウント型モニター[NAB2024]説明写真

SmartView 4KのLCDは極めて高解像度なので、Ultra HDの全てのピクセルが表示される。つまり、色忠実度が高い、クリーンな映像でモニタリングが可能としている。SmartView 4Kは放送用に設計されているので、新しいビデオソースに瞬時にロックする。これは、モニターがルーターに接続されており、異なるタイミングのソースに絶えず入力が変わる場合によくある状況だという。テレビとは異なり、ビデオはオーバースキャンされていないため、イメージの全ピクセルがLCDの端まですべて表示される。

SmartView 4Kのフロントパネルは、様々なモニタリングコントロールを搭載。入力ボタンは、2つの12G-SDIビデオ入力と、1つのST 2110 IPビデオ入力を切り替える。ディスプレイボタンでは、画面の明るさを調整可能。H/Vディレイは放送モニターに従来から搭載されている機能で、イメージのブランキングを確認できる。ブルーオンリーでは、SDのアーカイブコンテンツの色相をチェック可能。ズームボタンでは、カメラのフォーカスを調整する際にイメージを拡大できる。

カメラでの作業においては、SmartView 4Kにはフレーミングやフォーカスに必要な機能がすべて搭載されており、グラフィックオーバーレイも画面に表示される。オーバーレイにはセーフエリアとセーフタイトル・マーカーが含まれる。また、縦方向と横方向それぞれ2つ、合計4つの独立したフレームガイドも同時に表示できるので、SNSや劇場映画のフレーミングに極めて役立つ。フォーカスピーキングにも対応しており、フロントパネルの専用ボタンでオン/オフを切り替え可能。

放送局や劇場映画の制作では、LogフィルムガンマまたはHDRプロファイルエンコードされたSDIソースを扱うことが多いため、イメージが色褪せて見えたり、正確ではないカラーが表示されることがあるという。SmartView 4Kは3D LUTに対応しているのでこの問題を解決できる。つまり3D LUTを用いて、SDIやST 2110入力のカラースペースをSmartView 4Kのスクリーンに再マッピングできる。

ブラックマジックデザイン、「SmartView 4K G3」発売。を発表SMPTE-2110 IPおよび12G-SDIビデオ接続を搭載した初のラックマウント型モニター[NAB2024]説明写真

SmartView 4Kは、IPビデオ規格であるSMPTE-2110に完全に準拠しており、光ファイバーと10G同軸イーサネットを搭載しているので、近代的なIPビデオシステムを構築できる。SmartView 4Kは、SMPTE-2110-20の非圧縮ビデオ、高フレームレートのUltra HD用のBlackmagic IPコーデック、SMPTE-2110-21のトラフィックシェーピング/タイミング、SMPTE-2110-30のオーディオ、SMPTE-2110-40の補助データに対応。

SmartView 4KはNMOSインターフェース仕様に対応しているので、ST 2110ベースのIPビデオ機器すべてが一体となり、大きな仮想ルーターとして動作する。また、Videohub Smart ControlはNMOSコントローラーとして機能するため、ソースをST 2110ベースのIPネットワーク上の送信先にルーティング可能。

Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

SmartViewモニターは放送局で広く使用されていますが、12G-SDIとSMPTE-2110 IPビデオ入力の両方を搭載したモニターを提供できたら良いと考えました。そこで、低コストの10Gイーサネットを追加し、直接IPベースの放送システムや12G-SDI放送機器と接続できるようにしました!

ブラックマジックデザイン、「SmartView 4K G3」発売。を発表SMPTE-2110 IPおよび12G-SDIビデオ接続を搭載した初のラックマウント型モニター[NAB2024]説明写真

SmartView 4K G3は、NAB 2024のBlackmagic Designブース(#SL5005)にて展示される。

ブラックマジックデザイン、「SmartView 4K G3」発売。SMPTE-2110 IPおよび12G-SDIビデオ接続を搭載した初のラックマウント型モニター[NAB2024]