アメリカの高速道路上で自動車事故が発生した。現場に駆け付けた救急隊員たちが直ちに救助にあたっていたところ、思いがけない助っ人が現れた。
この辺りに住んでいた野良猫である。猫は救急隊員の近くに駆け寄ってくると「私も救助に加わろう」とばかりに、現場を取り仕切りろうとしたのだ。
救急隊員は、猫に現場は人間が掌握しているから大丈夫だよと説明したのだが、猫はどうしても救助活動に加わりたかったようだ。
そして最後に、驚くべきハッピーエンドが待ち受けていたのだ。
コロラド州サウスメトロ消防救助隊 (SMFR) は、交通量の多い高速道路で発生した自動車事故現場に向かった。そして一時通行止めとなった道路に到着すると、賢明な対応に当たった。
すると1匹の茶トラ猫が救急隊員の元へ現れたのだ。人間で間に合っているからと説明されるも「ここは私も手伝わせてもらおう」とばかりに、現場内に進入してきた。
SMFRの担当者は「交通事故現場に手伝ってくれようとする猫が現れました。人間がやるから大丈夫と説明したのですが、猫はとにかく助けようと決心したようです」と公式のFacebookに書いた。
張り切って救急車に乗り込んだ猫
猫は事故現場を歩き回り、現場を取り仕切ろうとしていたようだ。猫の手も借りたいほどだったが、実際に猫にできることは少ない。
消防士が猫の頭をなでると、猫は救急車の方へ歩いて行き、救急車に乗り込んだ。中の患者を助けようとしていたようだ。
猫は救急車に乗り込んだが、救急救命士はしっかり医療訓練を受けているため、患者は猫の助けを必要としていなかったようだ
とSMFRは書いている。
猫は救急車を運転して病院に連れて行こうとしていたようだが、署長はその提案を気に入ったものの、運転免許証を持っていないようなのでご遠慮いただいた(SMFR)
猫、救急車に乗って保護施設へ
救急隊員たちは猫が助けてくれようとしていることにはとても感謝していたのだが、猫が高速道路にいるのは安全ではないことも分かっていた。
[もっと知りたい!→]新しい隊員を紹介する。猫だ!消防隊員たちを骨抜きにした元野良猫、フレイムの物語(アメリカ)
そこで彼らは猫を慎重に抱き上げ、ペットキャリーに入れて自分たちがいる暖かい車内に入れた。
その後、事故現場の処理を終えた救急隊員らは、残っていた猫を近郊にある保護施設「ダムフレンズリーグ(DFL)」に搬送し、すぐに永遠の家が見つかることを願った。
猫のことが忘れられない救急隊員が永遠の家族となる
話はここで終わらない。さらに物語はハッピーな方向へ導かれていく。
危険物処理部隊の一員として事故現場に駆けつけたヒゲメンのアンドリュー・ベッカーさんは、現場で猫と会ってからというもの、猫のことが頭から離れなかった。
事故現場を取り仕切ろうとする元気な猫の登場で、隊員たちは大いに和まされたが、ベッカーさんは特にこの猫と強い絆を感じていたという。
人懐っこく、撫でると喜ぶこの猫を誰よりも目にかけていたベッカーさん。すでにその時から心は決まっていたようだ。
ベッカーさんは猫を預けた保護施設に自分が飼い主になることを伝えた。
さらに猫との再会を待ちきれなかったベッカーさんは、早々に猫の名前を考え始め、現場の救助活動での貢献に敬意を表してハッジ(Hazi)と名付けた。
ハッジはハズマット(HAZMAT)からとったもので、危険物などの災害に対応する訓練を受けた消防組織内の特殊部隊のことを意味する。
ベッカーさんは施設で養子縁組の書類に署名し、晴れて家族となったのだ。
ハッジはその後、新しい家にすっかり慣れ、家族に抱きしめられたり、遊んだりして楽しい日々を過ごしている。
そして今度は家の中の安全を守るため、常に目を光らせているそうだ。
どことなくNNN(ねこねこネットワーク)が関与している気もしなくもない。海外でもCDS(キャット・ディストリビューション・システム)という言葉が浸透しており、CDSの関与を疑っている人も多いようだが、何はともあれ、海外の現場猫は見事家族を得て、家庭内の現場猫として今後は働いてくれるようだ。
Written by parumo
コメント