例年4月から1カ月、京都の街を舞台に開催される国内最大規模の写真祭、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭。そのプログラムのひとつとして、シャネルネクサス・ホールによる上海出身のアートユニット、Birdheadの展覧会が、280年の歴史を持つ帯問屋・誉田屋源兵衛 竹院の間、黒蔵にて開催される。

歴史的建造物やモダンな近現代建築など、京都ならではのロケーションを舞台に、国内外のアーティストによる写真作品を紹介してきたKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭。シャネルネクサス・ホールは2013年のスタート時から写真祭に参加し、巡回展も行ってきた。

今年2024年、20周年を迎えたシャネルネクサス・ホール。その記念すべき年に、飛躍的な躍進を続けながら、これまで紹介される機会が少なかったアジアにおける新しい表現にフォーカスした試みをKYOTOGRAPHIEとともに展開するという。

その第一弾として、シャネルのグローバル・アドバイザーで北京のユーレンス現代美術センター(UCCA)のディレクター、フィリップ ティナリをキュレーターに迎え、上海で結成されたソン タオ(宋涛、1979年生まれ)とジ ウェイユィ(季炜煜、1980年生まれ)のふたりによるアートユニット、Birdhead(鳥頭)を紹介する。

Birdheadは、中国の経済と社会が世界に門戸を開こうとしていた時期に、彼らの故郷である上海の都市変容を記録したクロニクルで一躍注目の的に。20年に及ぶ活動を通じ、自分たちを取り巻く世界に声を上げ、称賛し、また批評するために写真の技術的・ナラティブ的限界に挑戦し続けている。近年は、KYOTOGRAPHIE 2024のテーマにも共鳴する、写真というメディウムの「源」、とりわけ光と時間の関係に立ち返って創作中だ。伝統的な写真技法やその実践の限界を試すことで、表現と抽象の微妙なバランスを追求している。

京都での開催は初となる本展は、280年の歴史をもつ帯問屋、誉田屋源兵衛を会場に開催。建築的特徴や歴史的背景を活かした2部構成で行われる。明治期から大正期にかけて建てられた「竹院の間」では、昨年京都と東京で撮影された124点のイメージからなる「Matrix」シリーズの新作を展示。加えて、入念に組み合わされた写真画像を木材に直接シルクスクリーン印刷し、特殊なラッカー技術で定着させた「Bigger Photo」シリーズの近作5点も展示されるという。

現代建築が融合する「黒蔵」では、写真の神秘的な力を崇める空想の宗教「Phototheism」 という彼らの冷笑的な概念を提示。この“宗教”とその信条「We Will Shoot You(我らは汝を撮影す)」を根底として、コラージュ画像、インスタレーションが暗い空間に鎮座し、原始的な崇拝を想起させるようだ。なお、本展は東京・銀座のシャネルネクサス・ホールへの巡回は行われないため、ぜひこの機会をお見逃しなく。

※掲載情報は4月13日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024
presented by CHANEL NEXUS HALL

会期/2024年4月13日(土)〜5月12日(日)
会場/誉田屋源兵衛 竹院の間、黒蔵
住所京都府京都市中京区室町通三条下ル西側
開館時間/10:00〜18:00(最終入場17:30
休館/4月18日(木)、4月25日(木)、5月2日(木)、5月9日(木)
URL/www.kyotographie.jp/

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