こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。


これまで「変わりたい」「結婚したい」と相談に来られた1000人以上の方々のうち、4割ぐらいが「一度もお付き合い経験がない女性」。そして筆者自身も20代まで、化粧もせず髪もボサボサの“完全なる非モテ”でした。一念発起して自分を変え、皆さんの“もったいないところ”をアドバイスしてきた経験から、恋愛・婚活に役立つリアルな情報をお届けします。


◆自称“頭脳が高い人”の残念な発言で思い出す



写真はイメージです(以下同じ)



先日、某県知事が「県庁で働くのは頭脳・知性の高い方。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたりとか、モノを作ったりというのとは違う」という趣旨の発言をして辞任に追い込まれました。自称“頭脳が高い人間”の発言とその結果は、かなり残念なものでした


この一件で思い出す婚活女性がいます。


由美さん(仮名・32歳/早稲田大学卒/年収640万円)は婚活歴2年超の女性アラフォーまでに結婚したいけれど、2年間で年齢だけが2歳上がってしまって、肝心の婚活は同じことを繰り返すばかり。このままでは結婚は難しそうだと思い、私のところへ相談にやってきました。


◆普通の男性がいないように見える認知の歪み
由美さんは髪も肌も綺麗で、マーメイドスカートが似合うほっそりした体型。美人の部類には含まれます。登録したマッチングアプリは数多く、ペアーズ、with、バチェラーデート、東カレデート、ゴージャスなどなど、もはやマッチングアプリの達人レベルです



たくさんの申し込みはもらっているようで、会った人数は3桁を超えると言っていました。


中でも東カレデート、バチェラーデート、ゴージャスは審査制で、一定のスペック以上ないと通過しないマッチングアプリです。高望みなのかなと思いきや、「普通の男性に出会いたいだけ」なのだそう。だったら選ぶ手段が違うと思うのですが、由美さんなりにその審査制アプリに登録したのにはわけがありました。


◆親の反対で別れた、学生時代の彼氏を引きずる
由美さんが過去に付き合った彼氏は3人。うち2人はマッチングアプリで知り合い付き合ったものの、1~2カ月で別れた、彼氏と呼べるのかも微妙な男性たちです。



唯一、6年間付き合った男性がいました。学生時代に知り合い付き合った男性で、由美さんが地方から上京してきて一人暮らししていたのに対し、彼は東京に実家がありました。


彼氏は学校を休みがちでした。会える時間は少ないものの、心優しい彼のことが好きで尊敬もしていたそうです。愛知に住む由美さんの母親が上京してきたときに、彼を会わせたこともありました。


しかし、やがて彼は家庭の事情で大学を辞めることに。それでも交際は続きました。


◆優しくて何でも話せる、大卒で家柄もいい“普通の人”
由美さんが大学院に進学してから、母親に「彼氏を連れてきたら」と言われます。彼が家庭の事情で退学したと伝えると、「家柄が違いすぎる人とはうまくいかない。もっといい人がいるから他を探したら」と、別れることを提案されたのです。


ちょうど彼氏とはすれ違いになりやすく、会っても喧嘩をしてしまうこともありました。今まで親に反抗したことがなかった由美さんは、最終的には親が反対する人と付き合っていても幸せはないと思って、彼と別れることを決断します。


由美さんの思う「普通の男性」とは、元彼のような優しくて何でも話せる人で、なおかつ大学を卒業している、お母さんが気に入るような男性のことでした。


そんな人をずっとマッチングアプリで探しているのに出会えません。ハイスペック男性が多いと謳うマッチングアプリは特に癖の強い男性が多く、合わないと思って今の主戦場はペアーズとwithだそうです。


◆「この職業はムリ」男性をお断りする理由に仰天
由美さんがペアーズでマッチングした30歳男性を見せてもらいました。メッセージ内容が丁寧な印象の男性でした。年収は「400~600万円」とあります。



でも、この人って仕事が販売なんですよ。大学は卒業しているっぽいけど、販売って大卒じゃなくてもできるし。大学院卒で年収640万円の私と釣り合うかなと思って」
「え? 販売職だからって理由で?! 何の販売かって聞いたんですか?」
「何も聞いてないです」
ファーストリテイリングとか大企業かもしれないし、販売もちゃんとしたお仕事だと思いますけど」


優しい男性を希望するわりに、ご自身は割と浅ましく、男性を条件でバンバン切っているのです。由美さんの考える“普通の男性”が仮に婚活していたとしても、人気があるのでライバルは多いでしょう。


人気がある男性は「品定めされる」ことにとても敏感で、心が広くて品定めしない女性か、品定め感をきれいに隠せるあざとい女性に刈り取られてしまいます。


◆賢い女性が全然知らない、自分の市場価値
「釣り合いっていうけど、それは由美さん側の希望ですよね。男性から見たら女性の学歴や年収って『高くてもいい』ぐらいで、よほど低所得なら別ですけど、由美さんが大学院卒だからという理由で選ぶってことはないです。女性の場合、人気に大きく影響するのが外見と年齢ですから。大学院卒だから販売の男性が釣り合わないっていうのは相手側の希望が考慮されてないんですよ」
「そうですか。でも母が納得するかどうか」
「結婚するのはお母さんじゃなくて、ご自分の結婚ですよね。親が過干渉で実家とべったりで自立していないなら、それは婚活においてマイナスなんですよ


由美さんは、自分が結婚したい男性がものすごく人気のタイプで、それに引き換え自分の立ち位置はさほど人気があるわけじゃないことを、受け入れてくれました。


自分の娘が30代でも非モテでも、親御さんが「医者や弁護士くらいじゃないと、この子とは釣り合わない」と勘違いしているケースは多いのです。


私も小売り出身ですが、確かに「大卒なのに」って言ってくる人はいました。販売って「低学歴でもできる」ではなく、「座学の勉強では身につけにくいコミュニケーション力が成績に影響する」が近いのではないでしょうか。


※個人が特定されないよう一部脚色してあります。


<文/菊乃>


【菊乃】恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt