大谷との信頼関係を利用して不正送金した水原氏。その行為が波紋を広げている。(C)Getty Images

「これはキツいな……」

 米野球専門ポッドキャスト番組『Foul Territory』のホストメンバーであるメジャー通算2043安打のAJ・ピアジンスキー氏は、大谷翔平ドジャース)の専属通訳だった水原一平氏のスキャンダルの詳報に思わず絶句した。

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 無理もない。米連邦捜査局や司法当局による捜査の過程で明るみになったのは、衝撃的な事実の数々だった。

 検察側からの訴状によれば、水原氏は2021年9月から2024年1月までの間に1日平均25回、合計1万9000回の賭けを実施。計1億4200万ドル(約217億5970万円)の勝ち、計1億8300万ドル(約280億4110万円)の負けを記録していたと判明。さらに大谷の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)を不正に送金し、膨大な規模となっていた負債返済に充てていた。

 さらに巨額送金のために行う銀行側への確認作業も、水原氏自身が「大谷である」と偽って行っていたことも明るみになった。その生々しく、ショッキングな内幕には、百戦錬磨の名捕手だったピアジンスキー氏も言葉を失った。

 番組内で訴状内容の一部を読み上げたピアジンスキー氏は「つまりミズハラはオオタニから金を奪ってそれを失うか、勝っても自分のところに入れていたってことか?」と問いかけ、続けざまに「普通はIRS(米国内国歳入庁)が銀行口座をチェックするはずだ。『今日奇跡的に100万ドルが手に入ったんだ』と言って、入金することなんてできない。どこで手に入れたんだとなるはずじゃないか」と疑問を呈した。

 そして、銀行への確認作業を水原氏が大谷を装って行っていた事実を番組があらためてクローズアップすると、「嘘だろ」と言わんばかりの表情を浮かべたピアジンスキー氏は5秒以上も沈黙。そして、「送金を電話で依頼したら、本人確認のために折り返し電話があるものだ……そうか、それも全部、彼(水原氏)を通していたってことか。なんてこった。これはキツい」と狼狽した。

 米球界の酸いも甘いも知る名手でさえも理解に苦慮した今回の騒動。彼らが言葉を失ってしまう光景こそ、問題の根深さを物語っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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