近年、警察庁はハイビームの方が周囲を確認しやすいため事故防止のためとしてハイビームを推奨しています。ただハイビーム眩しいので止めて欲しいという人も多くみられます。原因はどこにあるのでしょうか。

対向車のライトが「まぶしっ!」ハイビームのせい?

近年では、対向車などがいない場合は自動的にハイビームになる「オートハイビーム」を搭載するクルマも増えています。また、警察庁はハイビームの方が周囲を確認しやすいため事故防止のためとしてハイビームを推奨しています。

しかし、夜間にハイビームが眩しいのでやめて欲しいという人もSNSなどでは多くみられます。日本自動車連盟(JAF)が「JAF Mate」の読者に行ったアンケート結果でも、「夜間、ヘッドライトのハイビームを眩しいと感じたことはありますか?」という質問に対し、実に96%の人が「はい」と答えており、ハイビームを眩しく感じた経験がある人の割合はかなり多いようです。それはなぜなのでしょうか。

クルマのヘッドライトには、ロービームとハイビームが存在します。ハイビームは「走行用前照灯」と明記され、前方100m先まで照らすことができます。対して、ロービームは「すれ違い用前照灯」といい、前方40mが視認できるものと定められています。

基本的にクルマの運転はハイビームで行い、対向車がいる場合はロービームにするというのが望ましいようです。ただ、道路交通法第52条第2項では、夜間に他車両と行き違うときや前走車の直後を走る場合には、ヘッドライトの消灯あるいは減光する等灯火を操作しなければならないと定めています。

なお、前述したJAFのアンケートで眩しいと答えた人に「とくに眩しい」と思ったシチュエーションについて聞くと、もっとも多かったのが「運転中の対向車のヘッドライト」で、「運転中の後続車のヘッドライト」「交差点で停止中の対向車のヘッドライト」と続いていています。本来ロービームになっているはずの対向車とのすれ違い時に眩しく感じる人が多いという結果が出ています。

この対向車とのすれ違い時眩しい原因のひとつとして、対向車の切り変え忘れのほかに、近年搭載されるようになったオートハイビームの切り替えタイミングなどが悪い関係で、眩しいことが多いのではという声もあります。

このタイミングに関してもJAFは調査結果を発表しており、オートハイビームにしたとしても、60km/hで対向車とすれ違った場合は、約580m~670m手前というまぶしく感じない距離でロービームに変わったと報告されています。

JAFの調査では、車種ごとの細かい結果が出ている訳ではありませんが、そもそもオートハイビームの不備や、対向車のロービーム切り替え忘れ以上に、最近のヘッドライトに使われているLEDが原因なのではという意見もあります。

この件に関してカー用品店の担当者に聞いたところ「LEDは昔のハロゲンライトよりも明るく、白色などで眩しい感じることもあるかもしれません」との答えが返ってきました。ほかにも、光軸が原因の可能性も考えられるそうです。

「近年人気のSUVやミニバンは、車高が高く、ドライバーから見ると、セダンに比べて視点が高くなっています。そのためセダンスポーツカーだと運転席を直撃して、ロービームでも眩しく感じるかもしれません」

さらに、昼間も点灯し続けるデイライトが新車に義務化されたことで、ヘッドライトなど全てのライトが点灯した際の眩しさは増す傾向にあります。昔の暗いクルマに慣れている人が、眩しいと感じているケースも少なからずあるかもしれません。

ライトをつけた対向車のイメージ(画像:PAKUTASO)。