パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、平河悠にフォーカスする。

■平河悠(MF/FC町田ゼルビア)

初のJ1を戦う旋風起こす町田において、翼を担う23歳。地元・佐賀県の強豪校である佐賀東高校出身のサイドアタッカーは山梨学院大学に進学すると、2年生だった2021年に早いタイミングで町田の目に止まり、2023年に正式加入という形でプロ入りした。

したがって、昨年がプロ1年目だったが、特別指定選手時代の2年間でプロデビュー、そしてJリーグ初ゴールとしっかりと戦力に。昨年を35試合6得点4アシストの数字で飾ると、今年もチームとともに初挑戦のJ1で1得点3アシストと堂々たる活躍ぶりだ。

今や共闘2年目の黒田剛監督からも全幅の信頼を勝ち取るアタッカーの魅力は一瞬で相手を置き去りにできるレベルの俊足で、ドリブルスキルも相まって、サイドからの切り崩しは鋭さ十分。一方、守備も惜しまずで、その俊足を生かしたハードワークも強みだ。

そんな町田の翼が大岩ジャパンから声がかかったのはU―22イングランド代表&U―22オランダ代表と連戦だった2023年6月の欧州遠征。そこからもクラブでを含め、着実にアピールを続け、今大会では山田楓喜、佐藤恵允とサイドアタッカーの役割を託される。

中2日で進む今大会とあって、サイドとしても試運転済みの藤尾翔太を含め、おそらく4人で回しながら、対戦相手を見ての出場になりそうだが、両サイドをこなせるフレキシブルさとドリブルスキルが買われ、ゲームチェンジャーとしての出番も巡るだろう。

この大会を迎えるにあたっての調子も良く、J1第5節のサガン鳥栖戦では圧巻の3アシストを叩き出すなど、強烈な上昇曲線を描く。切れ味と泥臭さをもってしてその活躍ぶりを大岩ジャパンの翼としても期待したい。