古巣でどすこいポーズを披露した山川(C)産経新聞社

 ソフトバンク山川穂高4月13日、敵地ベルーナドームで行われた西武戦に「4番・一塁」で先発出場。

 3-0の6回一死満塁の好機に2番手の水上由伸の高めスライダーを捉えて一閃。古巣の西武ファンが詰めかけたレフトスタンドに今季2号となる豪快な満塁弾を放った。ダイヤモンドを1周すると待ち構えたナインとともに代名詞ともいえる「どすこいポーズ」を披露、これには西武ファンから大ブーイングが巻き起こるなど、一時、場内が騒然となる場面もあった。

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 そもそも今カード、対戦前から波乱含みと見られていた。西武から移籍後初の敵地での対戦。前日の初戦では山川の打席で西武ファンから大ブーイングが起こったことも伝えられていた。背景には自身が起こした女性スキャンダルで昨年1年間を棒に振った主砲が、FA権を行使してソフトバンクに移籍した「手順」にあった。10年間在籍した古巣に対して、自身の事情もあったとはいえ、西武から移籍する選手が行う、恒例ともいえるファンに対して肉声でメッセージを伝える機会がなかった。この「不義理」に西武ファンは怒りの声をあげているのだ。

 ただ、そんな西武ファンを奈落の底に突き落としたのは8回の打席にもあった。

 8回一死満塁で回ってきた第5打席、今度は相手5番手の豆田泰志の甘く入った直球をフルスイング、今回のどすこいポーズは6回と代わって、控え目だった。

 1試合2発のグランドスラムプロ野球史上3人目、2006年二岡智宏以来の快挙となった。昨年1年間は自身の不祥事で1軍出場は少なく、開幕からここまで打撃も湿りがちとあって状態が心配されていたが、本塁打王3度の長距離砲が圧巻のパワーを示した。

 一方でこの日の山川の「どすこいポーズ」をめぐってはネット上でも賛否両論の意見がぶつかりあっている。

 古巣のベルーナドームにおいてのどすこいポーズは移籍の経緯からして「火に油を注ぐ行為 やらないほうがいい」とたしなめる声が上がる一方で、「ここで打てるのはやはりすごい」と山川のメンタルのタフさをたたえる声もあった。

 プロ野球選手といえば個人事業主として結果が求められる。その点でいえば、チームの4季ぶりのV奪回への欠かせないパーツとして期待されるだけに、チームを勝たせる文句のつけようのない打撃となった。

 一方で西武投手陣もこのままやられっぱなしというわけにはいかない。いずれにせよ、今後も対戦が続くだけに、両球団の意地を賭けた白熱の戦いが今季は期待できそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ソフトバンク山川穂高 古巣西武戦で2打席連続満塁弾にブーイング 場内騒然の「どすこいポーズ」に賛否両論が飛び交う背景とは