アル・ヒラルに所属するモロッコ代表GKボノ(ボノヤシン・ブヌ)が、約4年間在籍したセビージャを退団した理由を語った。12日、スペインメディアの『アス』が報じた。

  FIFAワールドカップカタール2022でモロッコ代表の正守護神としてアフリカ勢史上初の4強入りに貢献したボノは現在33歳。ウィダード・カサブランカの下部組織出身の“守護神”は2012年にジブラルタル海峡を渡り、アトレティコ・マドリードのBチームに到着した。その後はレアル・サラゴサとジローナを経て、2019年夏にセビージャに加入。公式戦通算142試合に出場し、2度のヨーロッパリーグ優勝に貢献するとともに、2021-22シーズンには『サモラ賞(ラ・リーガにおけるGK賞)」を受賞した。

 そんなボノは今季からアル・ヒラルの守護神としてプレー。11日にはサウジスーパーカップで優勝を果たし、メディア向けのインタビューを受けると、昨夏に4年間在籍したセビージャを去った理由はメンタルヘルスが理由だったと語った。

 ボノはセビージャで戦った2022-23シーズンに家族問題を抱えていたとし「もはや自分自身ではなかった。力と経験をしぼり出す必要があったけれど、できなかった。そういう精神状況じゃなかったんだ。メンタルヘルスのために、変化が必要だったんだ」と話し、セビージャでの最後の時期は、力が湧いてこない状態であったと告白した。

 続けてボノは「自分がセビージャのためにエネルギーを与え続けることができないと感じ、クラブを去るべき時が来たと感じた」とし、続けて「クラブに対する愛だったんだ。自分が必要なものを与えられないならば、そこにいない方が良いと思った」と話し、セビージャを去る決断を下した背景を説明した。

 更にボノは「セビージャの人たちが自分に与えてくれたことは信じられないくらい素晴らしいものだった。自分はそれを永遠に心に刻むよ。セビージャの人たちが大好きだし、彼らと同じようにセビージャを愛する自分のような人間がいることを伝えたい。どんな形であれ、セビージャを沈めることなんてできない」と語り、サウジアラビアプレーする現在もセビージャを愛していると表現した。

アル・ヒラルに所属するボノ [写真]=Getty Images