東京ヴェルディのMF見木友哉が、土壇場で勝利を逃した東京ダービーを振り返った。

東京Vは、13日に味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第8節でFC東京と対戦。

3万1000人以上を集めた16年ぶりのJ1での東京ダービーに臨んだ緑の名門は、前半半ば過ぎの28分に見木のPKによるゴールで先制に成功。さらに、33分にはFW染野唯月の見事な右足ダイレクトボレーで追加点を挙げると、前半終了間際にはFW安斎颯馬が2枚目のイエローカードをもらって退場となり、2点リードに加え、数的優位まで得た。

しかし、後半は序盤こそ相手陣内でうまくゲームをコントロールしたが、68分にミス絡みのカウンターから途中出場のMF遠藤渓太に1点を返されると、以降は数的優位を活かせずに防戦一方の展開を強いられる。そして、後半アディショナルタイムの94分に相手のパワープレーから遠藤に左足ミドルシュートを決められ、土壇場で勝ち点3を逃す痛恨の2-2のドローとなった。

この試合で加入後初ゴールとなるJ1初ゴールを記録し、安斎の退場を誘発するなど、緑の新10番として決定的な仕事を果たした見木だが、「非常に悔しいという言葉しかないし、勝たなくてはいけないゲームだった」と、自身初の東京ダービーを振り返った。

東京Vでは昨季の昇格プレーオフ決勝や先日の京都サンガF.C.戦でキッカーを務めて決めている染野がいるが、ジェフユナイテッド千葉時代にもキッカーを務めていた見木は、「この間の試合でPKがありましたが、次は自分が蹴るとソメ(染野)に言っていた」とあらかじめ蹴るつもりだったと明かした。

また、「強いボールを蹴るというのを意識して、決まって良かった」と、相手のゴール裏からの圧力を受ける中、GK波多野豪の手をはじいてゴールネットを揺らした一撃を振り返った。

前後半で大きな振り幅が出た試合内容に関しては、「課題である2点目を取れたという中で内容も良かった」と前半の手応えを口に。その一方で苦しんだ後半については「次の1点がどちらに入るかで試合が決まるというふうに思っていて、それがイージーなミスから相手に1点を取られて、そこから相手に勢いをもたらしてしまったというのが、今日の結果に対する一番の要因」と、ミス絡みで与えた1失点目が流れに大きな影響を与えたとの見解を示した。

チームとしてはこの試合でも後半最終盤に失点。いずれもPKを与えた開幕3試合に続く土壇場での勝ち点逸となった。仮に、この4試合で失点を回避できていれば、現状の8ポイントに8ポイントを加え勝ち点16での上位という可能性もあった。

試合のクローズという明確な課題について見木は、「もっと重く受け止める必要がある」と、チームとしてより真剣に取り組んでいく必要があると語った。

「開幕から3試合連続で終盤のPKで失点していて、今回はPKではないですけど、そういう終盤の失点というところで、勝ち点3がこぼれ落ちるというのは、本当にもっと重く受け止める必要があると思います」

「まだ1勝しかしていないので、こういう勝たなければいけないゲームを引き分けにしてしまうと、勝ち点も伸びていかないと思うので、こういった終盤の失点というのはないようにやっていきたいです」

自身初の東京ダービーは試合後にホームサポーターから拍手と共にブーイングを浴びるほろ苦いものとなったが、「間違いなく勝ち点3が手に届くところまできていた中での最後の失点だったので、サポーターの気持ちは理解できますし、選手たちももちろん落胆しています。ただ、もう終わったことなので、この悔しさというのを次の試合のエネルギーに変えていかなければいけないと思うので、また切り替えて次の試合に向けてやるしかないです」と、ファン・サポーターの反応を当然のことと受け止めつつ、この悔しさを今後の原動力に変えていきたいとしている。