アメリカの沿岸警備隊と海軍は、ミクロネシア連邦の孤島に10日間取り残されていた男性3人の釣り人たちを無事に救出したと発表した。
男性たちが発見されたのは、同連邦ヤップ州にあるピケロット環礁である。彼らは砂浜にヤシの葉で「HELP(助けて)」という文字を作り、それがきっかけで発見につながったという。
今回の救出劇の舞台となったのは、ミクロネシア連邦ヤップ州にあるピケロット環礁である。
遭難したのはチューク州にあるプルワット環礁の住人3人で、2024年3月31日、160㎞以上離れたピケロット環礁まで釣りをしに出かけたのだそう。
3人は全員40代で、以前にもこの海域を航行した経験があったらしい。
だが彼らが乗っていた全長約6mほどのボートが、大きな波に巻き込まれ、船外エンジンが破損してしまった。
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ビーチにヤシの葉を並べて「HELP」の文字
3人はピケロット島に上陸したものの、あいにくこの島は無人島で、水も電気もない。ボートに積んであった無線機で助けを呼ぼうとしたものの、電池切れで使えなかった。
そこで彼らは真っ白なビーチにヤシの葉を「HELP(助けて)」の形に並べ、ヤシの実を食べ、井戸水で渇きを癒しながら、救助が来るのを待っていた。
4月6日になっても彼らが戻らないことから、親類たちはグアムの沿岸警備隊に通報。沿岸警備隊のほか、沖縄の嘉手納基地からも哨戒機の乗組員が派遣され、彼らの捜索にあたった。
HELPの文字がきっかけとなり、全員無事に救出される
翌日7日に、捜索隊はビーチに書かれた「HELP」の文字を発見。3人の無事を確認すると、無線機や食料などを投下し、救助船の到着を待つよう指示した。
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そして9日、救助船がピケロット島に到着し、3人を無事救出。全員健康状態は良好だったそうで、そのまま故郷のポロワット環礁まで送り届けられたという。
また、今回奇遇にも救助に向かった沿岸警備隊の中に、遭難者の親類がいたこともわかった。
現地の言葉を話す隊員が遭難者たちに自分の名前を告げたところ、相手はビックリ仰天。なんと3人とも、その隊員の親戚だったんだそうだ。
以前にも同じような救出劇が
実はこのピケロット環礁では、以前にもまったく同じような救出劇が繰り広げられていた。
この島に漂着した3人の現地の船乗りが、やはりビーチにヤシの葉で「SOS」と書いて無事に救出されたのだ。
日本でも1月に起きた能登半島地震の際、パイプ椅子で「SOS」と書かれている光景が報道されたのは記憶に新しい。
【駐車場にSOS】助け求める「サイン」避難者らパイプ椅子など並べ 地震から一夜明け Japan earthquake Noto and tsunami #shorts #SOS #地震
電気も通っていない孤島では、助けを呼びたくても通信手段が存在しない。
となると白い砂浜に描かれた助けを求める文字列は、上空から捜索している救助隊の目にも留まりやすい、極めて有効な手段なのかもしれない。
References:U.S. Coast Guard, U.S. Navy unite for maritime rescue, emphasizing community ties in FSM / 3 men spell 'HELP' with palm fronds, rescued from remote Pacific Island Pikelot / Man spots ‘HELP’ written on tiny island and gets completely unexpected outcome / written by ruichan/ edited by parumo
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