楽しいはずのレジャーが、ひょんなことから苦い思い出となってしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。



※イメージです(以下同じ)



 今回紹介するのは、キャンプ場で遭遇した迷惑キャンパーとのトラブル。家族で楽しみにしていたレジャーが、残念な一日となってしまったんだそう。


 神奈川県在住の主婦、美紀さん(仮名・36歳)は、小3、小1の男の子、夫の4人家族。コロナ過を機に家族でキャンプデビューをし、そこからは年に10回ほどはキャンプに出かけています。そんな楽しいレジャーでの、トホホな出来事とは……?


キャンプ場に着くとまさかの強風
「子どもたちが春休みに入り、家族でキャンプに出掛けたのですが、キャンプ場に到着するなりかなりの強風で『しっかり固定しないとテント飛んじゃいそうだよね!』と家族で話していたほどでした。


 キャンプ場の方から『今日は風が強いので物が飛ばないように気を付けてください』との忠告もあり、普段よりも念入りにペグを打ち、重りを使ってテントが飛ばないように気を付けてテントの設営をしました。


 家族で『風が強いから今日は焚き火は難しいからテント内で過ごそう』という話になり、ゴミなどが飛ばないようにテントを閉め、風をよけながらテント内で調理したりと、悪天候なりの楽しみ方をしていました」


 この春休みは悪天候が続いていたこともあり、「風は強いけど今日は晴れてよかったね!」と風が強くても息子さんたちの楽しもう! という気持ちが嬉しかったと美紀さんは話していました。


◆強風の中荷物を放置していなくなるキャンパーにモヤッ
 「テント内で息子たちがトランプをしていると、テントに大きな衝撃を感じ、息子が『ママ! テントに何か飛んできた!』というので、急いで見に行くと、隣のサイトから椅子が飛んできて我が家のテントに直撃していたんです。


 そして、テントの寝室部分が大きく破れているのを見つけ、頭が真っ白に……。隣のサイトに飛んできた椅子を持っていくと、そこにはキャンパーの姿はなく、車から降ろした荷物が散乱し、ゴミが風で飛ばされている状況でした」


 荷物をしっかり管理していて、誤って椅子が飛ばされてしまったのなら「仕方ないか……」と思えたかもしれないと、美紀さんは言っていましたが、「これだけ強風の中で荷物を降ろしっぱなしで誰も見ていないのは危ない」と怒りを感じたそう。


◆おじさん4人組がテントサイトに戻ってきて…
 



「隣のサイトにあった物が他にも風で飛ばされそうな状況で、多方面に被害があっては危ないと思い、私は荷物をおさえ、夫はキャンプ場の受付で隣のサイトのものがいろいろな所に飛んでいることを伝え、隣のキャンパーのおじさん4人組がそれを聞きつけたのか、やっとテントサイトに戻ってきました。


 その間も息子たちは隣のサイトから飛ばされたゴミを拾ったりと協力してくれていました。何よりも我が家のテントが大きく破れてしまった事実を知らず、『あ~すみませ~ん』と戻ってきた隣のキャンパーに腹立たしい気持ちでいっぱいでした」


 強風の中でのキャンプとみんな条件は同じなので、物が飛ばないようにする配慮は当たり前だと美紀さんは思っていたのです。


テント泊を諦め、車中泊に……
 「夫が、『こちらの椅子が風で飛ばされてうちのテントが破れてしまったんです』と状況を説明すると、『あーそうなんですか? ちょっと現場を見てないのでなんとも……』といった反応で、謝るそぶりもないことに正直驚きました。


『申し訳ないのですが、テントが『大きく破れてしまっていて、弁償していただけますか?』と話すも取り合ってもらえず、『これだけ風が強いのだからうちの椅子かどうか分からない』と言うんです。明らかに隣の荷物がこちらに飛んできているのに、頑なに非を認めずでした」


 子どもも一緒なのであまり揉めたくなかったそうですが、今回使用していたテントは新しく購入したばかりのもので、初張りだったこともあり余計に悲しい気持ちになったそうです。


キャンプ場側はもちろんこういったトラブルには関与してくれないので、その日は泣く泣く破れたテントにビニールテープを張ってみたのですが、テープでは破れた部分をしっかり覆えず、仕方なくそのまま就寝しました。


 子どもたちも『新しいテントなのにね……』ととても悲しそうにしていて。しかも夜中に運悪く大雨が降り『雨が入ってきて寝れない』と子どもに起こされ、その日は車内で寝る羽目に……」


◆朝になると隣のキャンパーが居ない!?



「朝6時くらいに目覚めて、『やっぱり弁償してもらおう』と夫と話して外に出てみると、すでに隣のサイトにはキャンパー達の姿はなく、朝にはもう荷物を撤去して帰っていたんです。謝罪の言葉も一度もなく、我が家のテントビリビリになり、本当にやりきれない思いになりました」


 今回の経験を経て、悔しい、悲しいといった気持ちはもちろん、「いつ自分達が加害者になるか分からないと思うから、気をつけようという気持ちになった」といいます。


 その後、破れたテントは補修テープを使用し、なんとか使用できるまでには修復できたそうですが、苦い思い出となってしまいました。多くの人が利用するキャンプ場。周囲へ迷惑をかけないようにする意識は忘れずに楽しみたいですね。


<文/鈴木風香 イラスト/魚田コットン


【鈴木風香】フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama