クルマのナンバープレートは車体真ん中の下方にあるのが一般的。ですが、かなりユニークな場所に取り付けられているバスが、実は増えています。

ナンバープレートの位置がヘン しかも「ギミック」アリだった!

クルマのナンバープレートは車体前面の真ん中の下方にあるのが当たり前。バスもトラックも同様です。しかし伊豆などでは、ナンバープレートが車体前面の下方ではなく、“顔のど真ん中付近”についているバスが走っています。

あのバスは何なのか、伊豆半島路線バスを運行する東海バスに聞くと、「サイクルラックバス」とのこと。その名の通り、車体の前面に、自転車を積載できるラックが取り付けられています。載せる際にはラックを引き出し、タイヤを架台に載せて固定します。

「ラックに自転車を載せると、正規の位置ではナンバープレートが見えなくなるので、運輸局と調整し、位置を変更しました」(東海バス

このタイプの車両では、ナンバープレートはラックのバーに取り付けられています。自転車を載せていない状態では、ラックのバーが車体中央部にくるので、ナンバープレートも“顔”の真ん中付近にあるというわけです。

そして、このナンバープレートは可倒式になっているそう。ラックを引き出すとナンバープレートがついたバーが車体下部に倒れ、その際にナンバープレートもクルっと立てて、プレートが車体下部の中央付近に見えるようにするそうです。

こうしたサイクルラックバスは各地で徐々に増えており、2024年3月には東京の都営バス青梅市内の路線で導入したばかり。

ただ都営バスの場合は、ナンバープレートが積載ラックのバーではなく、車体のフロントガラス下部の右端に固定されています。他地域でも、ラックにナンバープレートを取り付けるケースと、位置をずらして車体に取り付けるケースの双方があるようです。

東海バスでは、一部の山岳路線を中心にサイクルラックバスを導入しており、伊豆半島自転車でめぐる人に、路線バスと組み合わせた効率的な移動を提案しています。しかも東海バスの場合、積載料金は「当面のあいだ無料」。自転車ツーリズムの盛り上げに一役買う存在として、自治体なども積極的にアピールしています。

ナンバープレートがフロントの真ん中付近にあるバス。伊豆半島を走る東海バスの車両(乗りものニュース編集部撮影)。