チュ・ジフンとハン・ヒョジュが初共演するドラマ「支配種」(全10話/ディズニープラスのスターで毎週水曜に2話ずつ配信)が、4月10日に配信された。同作は、元軍人のウ・チェウン(ジフン)が大統領テロ事件の真相に迫るサスペンス。チェウンは、人工培養肉技術で急成長する国際企業・BF社の会長でテロの生存者ユン・ジャユ(ヒョジュ)に疑いを持ち、意図的に近づいていく――。チェウンを演じているジフンは、10代の頃には数々のコレクションに出演するなど、ファッションモデルとして活躍。身長187cmという恵まれた体格とスタイリッシュなオーラをまとい、モデルから役者へ転身後はドラマ・映画などでその魅力を発揮している。今回はジフンの俳優としてのキャリアを振り返りながら、新ドラマの見どころについて紹介する。

【写真】スタイル抜群!ダークなスーツを着こなすチュ・ジフンの全身ショット

■あどけなさが残る“ツンデレ皇太子”役で一気に大ブレイク

5月には42歳になるジフンが、俳優としてのキャリアをスタートさせたのは2002年の頃。ファッションモデルとして活躍するかたわら演技の勉強もしていた彼は、2006年に出演したドラマ「宮(クン)〜Love in Palace」でメインキャストに抜てきされた。同作は韓国の少女漫画が原作で、もしも韓国に王室制度が残っていたら…というコミカルな設定の中で繰り広げられる王宮ロマンス。彼はツンデレ皇太子のシンを演じたことで一躍有名となる。

放送当時は、現代のようにサブスク配信全盛時代ではなかったため世界各国で見られる作品というのもレアだった。同作は世界23カ国で放送される偉業を成し遂げ、まだあどけなさが残る若手俳優・ジフンの知名度も一気に急上昇した。

その後は、日本でもリメイクされたミステリードラマ「魔王」(2007年)で、表と裏の顔を持つ弁護士役のオ・スンハを熱演。役作りのために5kg減量して撮影に臨んだジフンは、スンハが見せる冷酷さと気品の二面性、そして復讐(ふくしゅう)に生きる姿を見事に演じきり、演技力も高く評価された。また同年には日本でファンミーティングを初開催し、2000年代に日本で社会現象を巻き起こした“第一次韓流ブーム”に続く、新世代の韓流スターとして日本でもアイドル的人気を博した。

■汚れ役からサイコパスまでを演じ分ける実力派へ

その後は次第に映画界でも多彩な演技を披露し始める。映画「アシュラ」(2016年)では、善から悪へと次第に手を染めていく後輩刑事ムン・ソンモを演じ、ファン・ジョンミンらベテラン俳優陣の中で光る存在感を放った。

また「暗数殺人」(2018年)では、丸刈り頭のサイコパス殺人犯のカン・テオに扮(ふん)し、妙に冷静で何をしでかすか分からない言動で刑事を翻弄(ほんろう)する男を怪演。彼は本作で「第39回青龍映画賞」の人気スター賞をはじめ、数々の賞を総なめにし、実力派俳優としてさらに突き進んでいく。

■持ち前の身体能力で“VRアクション”も見事にこなす

近年では、時代劇×ゾンビという斬新な組み合わせが大きな話題となったドラマ「キングダム」シリーズに世子(皇太子)役として主演するなど、幅広い役柄で活躍中のジフン。

そんな彼の最新作「支配種」は、4月10日に第1、2話が配信された。第2話では、BF社の会長ジャユのボディーガードになるべく受けた採用テストで、VR用の全身スーツとゴーグルを着けて見えない相手と戦うチェウンの姿が描かれた。

本作の制作発表会見でも、今回挑戦した高難度なアクションについて「何もない状態で全身スーツを着て一人でアクション演技をしたんですが…不思議な気分でしたね」と撮影エピソードを明かしており、まるで相手が見えているかのような素早い動きで仕留めるアクションシーンは、ジフンのアクション俳優としての魅力も存分に発揮されただろう。

まだまだ物語の全容は謎に包まれているが、冷静かつ表情を変えずに突き進むチェウンが今後どう仕掛けていくのか。そしてカメレオンのようにあらゆる役柄に徹してきたジフンがどうチェウンを彩るのか…今後の展開に期待したい。

◆文=suzuki

チュ・ジフン/(C)2024 Disney and its related entities