常磐道の「東京に最も近いSA」にスマートICを設置する動きが加速しています。周辺にプロ野球団の拠点設置も決まり、官民で要望活動が活発化。その先には、つくばエクスプレス沿線の「夢の架橋計画」があります。

つくばエクスプレス「守谷」発展の起爆剤?

2024年3月、関越道で東京から最も近い休憩施設である三芳PAのスマートICが“フル化”され、利便性が大幅に向上しました。同じく東北道で東京から最も近い蓮田SAでも、2022年4月に上り線入口の移設と出口の追加が行われるなどしています。

こうしたなか、常磐道の東京から最も近い休憩施設「守谷SA」でも、スマートICを新設する動きが加速しています。

守谷SAは常磐道で東京方面から茨城県に入ってすぐ、守谷市利根川寄りにあります。上下線のエリアとも商業施設「パサール守谷」が設置されている沿線でも規模の大きい休憩施設ですがスマートICがなく、2023年9月に国土交通省からスマートIC設置の準備段階調査に入ると発表されたところです。

さらに11月には、プロ野球ヤクルトスワローズの2軍球場が整備されることをSA付近に整備すべく、ヤクルト側と市、県が基本協定を締結。12月には住民向けの説明会も行われ、2024年3月にはSA近くに立地するアサヒビールや明治、ヤクルト球団の関係者とともに、国へ要望を行っています。

SA周辺では大規模な土地区画整理事業も始まるほか、ヤクルト2軍球場を核とした総合公園計画も持ち上がっています。

このスマートICと周辺整備と連動して、もうひとつ期待がかかっているのが、千葉県へつながる「利根川への架橋」です。SAのすぐ近くを通るつくばエクスプレスの並行道路「都市軸道路」の橋です。

都市軸道路は埼玉県から千葉県流山市、柏市を経て茨城県つくば市へ至る計画ですが、沿道には未開通部がいくつか存在。守谷SA上り線のある守谷市大柏から、つくばエクスプレス守谷駅までは都市軸道路で2km強というアクセスが確立されていますが、千葉県へ通じる利根川の渡河部は、事業化もされていません。

折しも、昨年11月に都市軸道路の埼玉・千葉県境部として「三郷流山橋有料道路」が開通。都市軸道路で最大の未事業化区間ともいえる利根川架橋についても、千葉・茨城双方の自治体が、両県への要望活動を活発化させています。

ちなみに、常磐道からも見えるつくばエクスプレス利根川橋梁は、道路の計画も見越して、橋脚の両サイドに道路用の橋桁も架けられる構造でつくられています。守谷SAスマートICの計画が具体化するなかで、架橋の機運も熟しつつあるといえそうです。

常磐道の守谷SA。右に並行するつくばエクスプレスの両側の道路は、SA付近で途切れている(画像:Google earth)。