坂本は昨年の日本シリーズでも活躍、扇の要としてチームをまとめた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 チーム初のリーグ連覇を狙う阪神では一方で今オフ、頭の痛い事情も抱えている。

 主力の大量FA問題だ。昨季全試合で4番として出場を果たした大山悠輔たくみなリードが光る捕手、坂本誠志郎、勝負強い打撃でともに代打の切り札となっている糸原健斗原口文仁の4人が順当にいけば今季中に国内FA権を取得見込みとなっている。球団幹部も全力で引き留める姿勢を示しているが果たしてどうなるか。

【動画】【阪神FA】球団幹部「全力で引き留める‼︎」阪神の主力が放出の危機…この件に関して、4選手に伝えたいことを語ります【プロ野球】

 阪神の主力FA問題については球界内からも様々な考察の声があがっている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は4月13日に自身のYouTubeチャンネルに「【阪神FA】球団幹部「全力で引き留める!!」阪神の主力が放出の危機…この件に関して4選手に伝えたいことを語ります」と題した動画を更新。4選手の存在価値、今後の展望など自身の見解を語った。

 まず国内FA権取得見込みの4選手に関しては「必ず必要な選手だな」とそれぞれが存在価値があると認めた。

 その上で4番を務めている大山に関しては昨年の契約更改交渉で複数年契約を拒否して単年を選択したことも注目を集めたが「阪神に愛情があると思う」と残留の見込みを示した。

 さらに常に全力疾走を欠かさないなど4番としてのチームを引っ張る姿勢も評価した。

 次に捕手、坂本に関しては「この頭脳は出せないよ」としてチームを支える司令塔としての役割を高く評価した上で、現在は梅野隆太郎との併用という形となっていることで「正捕手として1人でいくというのなら分からないでもないけど」と正捕手としての地位を確立させたいという気持ちがあるのなら、FA行使の可能性もあるとした。

 坂本の貢献に関しては昨年梅野が負傷したことで後半戦はほぼ1人で先発マスクを担い、投手陣をたくみにリードするなど貢献度の高さも光った。プロ8年目となった昨季はキャリア最多の84試合に出場、うち76試合でスタメンマスクをかぶり、ゴールデン・グラブも初受賞と飛躍の年となった。高木氏も「力もしっかり発揮したし 優勝したというのは坂本の貢献度もピカイチ」と高く評価。

 流出の可能性を指摘しながらも、大山同様にチームへの愛着も持っているとして「今の状況で俺はすごくいいと思うけど」と個人的に残留を希望する場面もあった。

 大山、坂本に関して「彼らは阪神のスターであって欲しい」として、球団としても全力で引き留める姿勢を見せるだろうとした。

 また代打の切り札として知られた糸原に関しては最近は佐藤輝明などにポジションを奪われ、ベンチを温める機会も増えたが「全然腐らずに立派」と変わらず声を出すなどチームを盛り立てる姿勢も評価した。

 勝負強い打撃で知られる原口にしても近年は厳しい立場に置かれながらも、病気からの復活を辛抱強く待ってくれた球団に対しての感謝の気持ちが根底にあり、性格を加味した上で残留の可能性が高いとした。

 最後は近年のFAでも球団フロントが選手引き留めに成功している例などからも4選手においては、残留の可能性が高いとしながら、シーズン中もこの問題はウォッチしていきたいとした高木氏。

 昨年日本一を達成、これからが黄金時代を迎えるともいわれる中で主力流出は何としても避けたいところ。ペナントの行方とともに今季はチームの水面下の動きにも注目が高まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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