藤井道人監督による初の国際プロジェクトで、台湾で話題を呼んだ紀行エッセイを映画化した日台合作ラブストーリー『青春18×2 君へと続く道』(5月3日公開)。ひと足先に3月14日で公開を迎えた台湾では、「今年一番泣ける」と話題を呼んでいる。そして、4月4日に香港とマカオで公開され好調なスタートを切り、先週末からシンガポールマレーシアベトナムと続々と封切り。そして、韓国でも公開が控えるなど、まさにアジア各国・各地で注目されている1本と言えるだろう。

【写真を見る】台北のランドマーク「台北101」をバックに、シュー・グァンハン&清原果耶が指ハートを送る!

本作でW主演を務めるのは、アジア圏で人気の台湾俳優、シュー・グァンハンと清原果耶。香港国際映画祭や日本でのスペシャル上映会では、2人が登場すると黄色い声援が送られていた。MOVIE WALKER PRESSでは、映画のスタート地点となった台湾でのプロモーションに密着!現地で行われた記者会見や台湾のファンにお披露目したイベントの裏側を、グァンハンと清原のコメントも交えながらお届けする。

18年前の台湾と現在の日本を舞台に、“初恋の記憶”をエモーショナルに描く。18歳のジミーは4歳上の日本人バックパッカー、アミと出会い、天真爛漫な彼女と過ごすうちに恋心を抱く。しかし突然アミの帰国が決まり、意気消沈するジミーにアミはある約束を提案する。時が経ち、人生につまずいて帰郷した36歳のジミーは、かつてアミから届いたハガキを手に取る。そして、“あの日”の約束を果たすために、日本への旅に出る。

■人気俳優の恋愛観も明らかに?現地の取材陣が大集合した台北記者会見

台湾公開の前日の3月13日、記者会見の場所となるホテル、W台北で数々の台湾メディアが集まっていた。会場には台湾茶を使ったフルーツティードリンクがずらりと並び、ほかにも、しいたけ形のカスタードまんや大根もちなどの軽食が来場した記者たちのために用意されており、台湾の温かい風情を感じられる記者会見の序幕となった。

たくさんのフラッシュのなか、アジアンテイストの黒のドレスに身を包んだ清原が登場。「ダージャーハオ(皆さん、こんにちは)。私は清原果耶です」と中国語で挨拶する。スタイリッシュなグレーのスーツ姿で登壇したグァンハンは「皆さん、こんにちは。私はグァンハンです」と日本語を披露。

2人は藤井監督、エグゼクティブ・プロデューサーのチャン・チェンと共に作品に込めた想いや、撮影時のエピソードなどを振り返りながら、国際プロジェクトとなった本作での新たな挑戦について熱く語っていた。

そして、台湾出身のジミーと日本出身のアミが紡ぐ恋物語にちなんで、台湾のメディアから現地では“国民的彼氏”と呼ばれるグァンハンに国際恋愛に対する意見を求める質問も。「もちろん退けることはないです。心の気持ちが通じ合えば、言語は問題ではないと思います」と真摯に回答。さらに、メディア陣は、初共演となった清原とグァンハンとのエピソードについても興味津々。すると清原は「優しくて紳士的。現場で毎朝『おはようございます』とご挨拶を交わてくれて、そばにいてくれるから頑張ろう!と思えるような温かい存在でした」とグァンハンの魅力を明かした。

劇中では、ジミーとアミの旅が描かれるのに伴って、日本と台湾の美しい風景はもちろん、旅先で出会った人々との交流も映しだされている。「今回は時間があったら、保安宮、行天宮という台湾の有名な寺院に案内して、伝統文化を体験していただきたいです」と台湾のオススメスポットを語ったグァンハン。清原と藤井監督に現地の文化を体験してほしいそうだ。「グルメは、花生巻冰淇淋(ピーナッツアイスクリームクレープ)か、地瓜球(さつまいもを使用した揚げ菓子)など、台湾スタイルの夜市の食べ物を味わっていただきたいですね」。この意見には会場に集まった台湾のメディア陣も頷いていた。

■現地の黄色い声援が飛ぶ!ファンと対面するプレミアイベント

夕方には、台北の繁華街、信義威秀中庭でファンの前に登場するプレミアイベントが行われた。「果耶ちゃん、台湾へようこそ」と書かれた手作りのうちわを持参して応援する人や、大きなカメラを構えている人も多く見受けられ、広場両側の建物の2、3階まで立見客があふれるほど、たくさんのファンが集まった。

より大人の魅力を感じられる黒のスーツにチェンジしたグァンハンと、薄緑のドレスにお色直した清原がステージに姿を現すと、大歓声が沸き起こった。清原は中国語で挨拶するとさらに大きな拍手を浴びていた。すると、「実はちょっと緊張しています」と意外な告白を吐露した清原に、ファンから「頑張って」というエールも。清原も立ち見をしているファンに手を振り、笑顔を見せた。

劇中と同じく、撮影中に中国語と日本語を互いに教え合っていたというグァンハンと清原。清原がグァンハンから教わった中国語「ニヘンシュアイ(カッコいいです)」を披露すると、グァンハンも流暢な日本語で「きれいですね」と答えるなど、微笑ましいやり取りを見せた。

台湾のキャスト陣も続々と登壇し、撮影時の思い出を振り返る場面も。そこではグァンハンと清原のお気に入りのデートシーンも明らかに。「台湾の映画館にジミーがデートに連れて行ってくれるシーンがとても好きです。その映画館がとても伝統のある場所だったので、行けてうれしかったです」と清原が語った。グァンハンにとっては、バイクで2人乗りするシーンが特別だったという。「清原さんもその撮影で初めてバイクに乗りました。この作品は劇映画の撮影ではなく、ドキュメンタリーを撮っているような感じでした。撮影中は清原さんをバイクの後ろに乗せて、おいしいものがあるお店とかを紹介しながら走っていました」と語り、本作の名シーンを紹介した。

記者会見でも「甘党だからロケ地の台南の甘口のご飯がお気に入り」と明かした清原に、「一番好きな台湾の食べ物は?」と質問が飛ぶと、「蛋餅(ダンビン)!一番好きな味はコーンとチーズです」と笑顔を見せた。周りのファンも手を挙げて、清原と同じ大好物であることに大興奮。ちなみに、「蛋餅」とは、台湾トルティーヤとも呼ばれる、台湾の定番朝食メニューの一つだ。

フォトセッションでは、「ハートポーズして」「2人でハートを作って」「ランタンを飛ばすような感じでポーズして」など次々とメディア陣からのリクエストが飛び交った。グァンハンと清原は一つ一つに丁寧に応じ、さらにグァンハン自らおにぎりポーズを披露し、ファンたちも大喜びだった。

■観客から好評が殺到…日本での公開に期待も

夜はMUVIE CINEMAS TITAN SCREENで舞台挨拶が実施された。映画館に入ってすぐのところにある大きな壁は一面『青春18×2 君へと続く道』のビジュアルで装飾され、モニターには予告映像も流れており、本作への注目度の高さをうかがい知ることができた。

その日は4つのスクリーンで本作が上映されていた。4つの会場とも満席になり、グァンハンと清原のほか、藤井監督とチャン・チェンも上映前のそれぞれの会場をハシゴし、観客に作品を紹介し、意気込みを語った。

清原は「私にとってとても大切な映画になったので、今日はこうやって皆さまに観ていただけることを幸せに思います。台湾で長く広く愛される映画になりますように」と願いを込めた。「一見、青春ラブストーリーに見えますけど、実は“大人”の魂を持っている作品です。大人の皆さんにこの作品で青春を思い出してもらえたらと思います」とグァンハンも本作の魅力をアピールした。

鑑賞後、現地の観客からは「予想以上におもしろい!日本映画の繊細な感情の描き方に加え、なじみのある台湾式のユーモア要素もたくさん」「3つの言葉でこの作品を紹介するならば、泣ける・大好き・最高」「思いもよらぬ展開で涙が止まらないくらい泣きました。一つ一つのシーンも印象的で、さすが藤井監督」など絶賛する声があふれていた。

記者会見やプレミアイベント、舞台挨拶、インタビューなど、充実したプロモーションを終えたグァンハンと清原。台北のランドマーク「台北101」をバックに穏やかな2人はステキな笑顔を見せてくれた。

グァンハンから「これから日本で公開されるということで、僕自身、なにもかも新鮮な気持ちでまた新しい発見があるのではないかと楽しみにしています」と日本のファンへのメッセージも届いた。

いよいよ5月3日(金・祝)に日本公開を迎える『青春18×2 君へと続く道』。ぜひ劇場でせつなくも美しい物語を味わってほしい。

取材・文/編集部

※記事初出時、海外での公開情報に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

『青春18×2 君へと続く道』の台湾プロモーションイベントを密着!シュー・グァンハンと清原果耶の素顔をお届けする/[c]2024「青春18×2」Film Partners