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新型「メルセデスAMG GTクーペ」発表

メルセデス・ベンツは、メルセデスAMGのトップパフォーマンスモデルである新型「メルセデスAMG GTクーペ」を発表し、正規販売店ネットワークを通じて予約注文の受付を開始した。納車は本年4月下旬頃より順次予定している。メーカー希望小売価格(税込)は2750万円。

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新型メルセデスAMG GTクーペは、極めてダイナミックな走行性能と卓越したスポーツ性を備えると同時に、優れた快適性も兼ね備えたパフォーマンスラグジュアリーモデルに仕上がっていると語る。

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションやリア・アクスルステアリング/アクティブ・エアロダイナミクス・システムなどの高度なコンポーネントにより、ダイナミックな走行性能をさらに研ぎ澄ませ、加えて前後トルク配分の連続可変が可能なAMG 4マティック+を初めて搭載。

4L V型8気筒ツインターボエンジンとも相まって、圧倒的なパフォーマンスを発揮すると彼らは言う。

また、精巧な複合アルミニウムボディ構造を持つ専用AMGスポーツカーアーキテクチャーにより、2+2シートレイアウトが可能となり、このセグメントのスポーツカーとしては極めて広大な室内空間とラゲッジルームを実現した。

SLS AMG/初代GT 2ドアクーペ/GT 4ドアクーペ/SLに続く、5番目のAMG独自開発モデルとなる新型メルセデス AMG GTクーペは、今回もアファルターバッハ開発陣が誇る、優れた技術ノウハウを誇示するモデルとなっていると強調した。

エクステリアデザイン

メルセデス・ベンツのデザイン基本思想「センシュアル・ピュリティ」とメルセデスAMGのDNAを高次元で融合させたエクステリアは、新しいレイアウトコンセプトによって、パフォーマンスラグジュアリーを体現し、現代のアイコニックなスポーツカーデザインを代表するスタイリングとなったと表現された。

堂々たる佇まいを醸し出すワイドな専用フロントグリルは、立体形状にデザインされたほか、極めて低い位置にレイアウトされたことで、ダイナミックなフォルムを強調。また、ワイドな視覚効果と空力性能に優れたフロントエプロン、力強いパワードームが配されたロングボンネットがスポーツモデルに相応しいフロントエンドを形成する。

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

ヘッドライトには3つのLEDのドットが特徴的なデイタイムランニングライトを備えたデジタルライトを採用。先進的かつ独創的な表情を生み出した。

サイドは、ロングホイールベース/ショートオーバーハング/大きく傾斜したフロントウインドウ/ロングボンネット/後方にオフセットしたキャビンメルセデスAMG GTクーペ独自のダイナミックなプロポーションを形成。

また、際立つショルダーライン、エッジのない面の抑揚による美しいパネル、力強く張り出した前後フェンダーがエレガンスとスポーティネスを見事に融合させたとメルセデスは表現した。シームレスドアハンドルの採用も美しく洗練されたスタイリングに寄与しているという。

なお、アルミホイールは前後とも鍛造の21インチを標準装備。大径のホイール/タイヤが足元を力強く引き締める。

低く構えたパワフルなリアエンドには、3つの立体的なグラフィックが目を惹くLEDリアコンビネーションランプを採用。スリムかつ水平に伸びるランプデザインがリアエンドのワイド&ロースタイリングを強調した。

電動格納式のリトラクタブルリアスポイラーも備わり、展開時は空力性能を高めるばかりでなく、スタイリングにスポーツカーならではの精悍なアクセントを与えながら、格納時はボディラインにすっきりと収まり、スタイリングを損なうことがないとしている。

その他、新デザインのデュアルエグゾーストエンドを一体化したハイグロスブラックのディフューザーもメルセデスAMG GTクーペの特徴だ。

オプションのAMGカーボンパッケージ装着時は、フロントスプリッターやドアミラー、リアディフューザーなどがカーボンファイバーとなる他、エグゾーストエンドとエンブレム類がブラッククロームになるなど、エクステリアを一層ダイナミックに演出する。

インテリアデザインとインテリア その1

アナログとデジタルを融合させた「ハイパーアナログ」デザインのインテリアは、AMGハイパフォーマンスカーのDNAを取り入れながら、高品質な素材やクラフトマンシップによって、ラグジュアリーな仕上がりとなる。

航空機からインスパイアされた左右対称ダッシュボードは力強いウイング形状にデザインされており、タービンノズル型のエアアウトレットとともにスポーティな印象を与える。また、ワイドなセンターコンソール中央部にNACAダクト・デザインを採用。モータースポーツのDNAを受け継ぐデザインアイコンとなっている。

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

11.9インチの縦型メディアディスプレイはこのNACAダクト・デザインとシームレスに融合、12.3インチのデジタルコックピットディスプレイは立体的なバイザーに収められるなど「ハイパーアナログ」なコックピットを形成するという。

AMG専用スポーツシート

レイヤーや折り目を巧みに組み合わせ、ライトでスリムなデザインを採用したAMG専用のスポーツシート(ナッパレザー)を標準装備した。

また、シートベンチレーター(シートヒーター機能含む)/(運転席・助手席)やマルチコントロールシートバック(運転席・助手席)も装備されるとともに、長時間のドライビングでも疲れにくい形状によって、心地良いクルージングを実現する高度な快適性も備えるという。

シートカラーは標準内装で4色、オプション内装(ダイヤモンドステッチ入)で3色から選択が可能だ。

AMGパフォーマンスシート

AMGパフォーマンスシートをオプション設定。ヘッドレスト一体型の極めてレーシーなデザインとなっており、大きく張り出したサイドボルスターは運転姿勢を常に正確に保ちスポーツ走行をサポートする。

シートベンチレーター(シートヒーター機能含む)/(運転席・助手席)やマルチコントロールシートバックパッケージ(運転席・助手席)も装備されるなど、快適性も併せ持ち、シート素材とカラーはナッパレザー内装で7色(ダイヤモンドステッチ入含む)ナッパレザー/マイクロカット内装で2色から選択することができる。

可倒式リアシート

新型GTクーペはスポーティでダイナミックなドライビング楽しめる2シーター仕様が標準だが、スポーツカーにも実用性や利便性を求める顧客のために可倒式リアシートによって4名乗車可能な2+2仕様がオプション設定された。なお、リアシートに着座できる乗員の身長は150cmまでとなっている。(チャイルドシート装着時は135cmまで)

リアシートを倒せばラゲッジルームを最大675Lまで拡大でき、スポーツカーでありながら、日常使用の利便性を確保することで、これまで以上に利用シーンが広がるという。

MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)

新型メルセデスAMG GTクーペには、12.3インチのデジタルコックピットディスプレイと、11.9インチの縦型メディアディスプレイの2画面を標準装備。それぞれAMG専用のコンテンツや表示によって、AMGならではの特別なコックピットを形成する。

対話型インフォテインメントシステム「MBUX」は第2世代を搭載。ボイスコントロールは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力/電話通話/音楽選択/メッセージ入力・読み上げ/気象情報)に加え、クライメートコントロール/各種ヒーター/照明など多様な機能にも対応。

また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン/ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能で、ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けることができ、安全なドライブに寄与する。

インテリアデザインとインテリア その2

AMGパフォーマンスステアリング

ツインスポークデザインのAMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー)を標準装備。大胆に絞り込まれたグリップフラットボトム形状/大型のアルミニウム製パドルシフト/最新デザインのAMGドライブコントロールスイッチがスポーツ走行時の操作性を高めると同時にコックピットにより精悍な印象を与える。

また、ステアリングヒーターも備えることで快適性も向上。オプションのAMGカーボンパッケージ装着時は、トップとボトムがカーボングリップ部がマイクロカットとなり、レーシーな雰囲気が一層高まる。

ブルメスター・サラウンドサウンドシステム

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

ブルメスター・サラウンドサウンドシステムを標準装備。11スピーカー/16チャンネル、合計出力600Wのオーディオシステムが、自然かつ印象的なサウンドを奏で、ドルビーアトモスに対応しており、これまでにない没入感溢れるサウンド体験が可能だ。

ブルメスター・ハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム

3Dサラウンドにも対応したブルメスター・ハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムをオプション設定。15個スピーカー/15チャンネル、合計出力1170Wのオーディオシステムは、余裕のある再生能力により、自然で心地良いサウンドと力強い大音響を両立する。

ルーフライナーにはAMG 3Dスパイダーアクチュエーターが備わり、立体的な音響再生を実現。さらにラゲッジルームには出力 400WのアクティブAMG ECS(Externally Coupled Subwoofer)を搭載し、豊かで迫力に満ちた低音域を堪能することができるという。

ラゲッジルーム

ラゲッジルーム容量は標準の2シーター仕様で321L、オプションの可倒式リアシート装着時は後席を倒すことで675Lと余裕のあるスペースを利用でき、またEASY-PACK自動開閉テールゲートとフットトランクオープナーが備わり、高い利便性を実現する。

ボディシェル

新型GTクーペのボディシェルには、メルセデスAMGが開発したまったく新しい車両アーキテクチャーが採用された。

軽量なアルミニウム複合シャーシにより最大限の剛性を生み出すもので、精度の高いドライビングダイナミクスや優れた快適性、最適なパッケージング、それに加えスポーティなボディプロポーションを実現するベースとなっているとメルセデスは語る。

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

新型GTクーペのボディシェルアーキテクチャーは2+2シートを採用するための基本レイアウトと多種多様な駆動システムへの対応、AMGならではのドライビングパフォーマンスを実現すると同時に、快適性や安全性に関するメルセデス・ベンツの厳しい基準の両方を満たす必要があった。

アルミニウム/スチール/マグネシウム/繊維複合材を使用した材料の組み合わせによって、重量を抑えつつ可能なかぎり最も高い剛性を実現。同時に、快適性および安全性に関する先進の機能・装備を搭載することも可能とした。

ボディシェルのねじり剛性は先代比で18%向上。横軸の剛性は50%、縦軸の剛性は40%高くなった。シャーシ剛性の向上は極めて正確なハンドリング特性を実現。ドア及びボンネット、テールゲートを除いたボディシェルの重量はわずか270kgとなっている。

車両の全体コンセプトは、重心が可能なかぎり低く保たれるよう考えられている。パワートレインアクスルの接続部を低い位置に置いていることや、剛性面で重要なコンポーネントをボディシェル構造内に配置しているのはそのためであり、具体的な例としては、フロントおよびリアセクションとセーフティパッセンジャーセルの接続部が曲げ強度やトルク剛性に優れていることが挙げられる。

これは、力の伝達経路を徹底して可能なかぎり低い位置とすることで実現したものだという。ミグ溶接/レーザー溶接/パンチベット/ブラインドリベット/ミグハンダ/ボンドシーム/フロードリリングスクリューといった最新の接合方法とそれらに必要な精密な工具製作によって、ボディシェルの品質が最高水準にまで高められた。

隙間の寸法や曲率、接合部の経路についても同様で、この新しいボディシェルアーキテクチャーは、多くの面で法的要件をはるかに超える、社内の厳しい衝突関連要件をすべて満たしたという。

こうした厳格な品質基準にもかかわらず、デジタル開発に使用したソフトウェアの品質が高かったため、シャーシプロトタイプの実物がなくても量産用機械の製造をスタートさせることが可能となり、事故時のパッシブセーフティにとってきわめて重要な、いわゆる構造確認車両は、すでに初回の実際の衝突テスト時から厳格な社内要件を満たしていたと彼らは強調した。

パワートレイン

特別な改良が施された4L V型8気筒ツインターボエンジンは、AMGスピードシフトMCT9速トランスミッションとの組み合わせによって、高出力と高効率を両立。また、メルセデスAMG GTクーペとして初めて四輪駆動システムであるAMG4マティック+を採用し、トラクションの大幅な向上に寄与するという。

4L V型8気筒ツインターボエンジン(M177)

ファルターバッハにて「ワンマン、ワンエンジン」の原則に則って生産される4L V型8気筒ツインターボエンジン「M177」を搭載。最高出力585ps/最大トルク81.58kg-mというパフォーマンスを発揮する。

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

M177エンジンは、SクラスやGクラスなどの「63」モデルにも搭載されているが、新型メルセデスAMG GTクーペへの搭載にあたり、新たなオイルパンや搭載位置を変更したインタークーラー、アクティブクランクケースベンチレーションなど、数多くの改良が施された。

また、3系統の冷却システムを搭載。エンジン本体及びターボチャージャー用/トランスミッション/エンジンコントロールユニット及びインタークーラー用/エンジンオイル用に備えられた各システムが、ハードなサーキット走行時においてもドライブトレーンを常に最適な温度に保つという。

ダイナミックエンジンマウント

磁性流体と円環状コイルが作り出す磁界強度を変化させることで、マウントの固さを無段階に調整するダイナミックエンジンマウントを搭載。荒れた路面ではエンジンの振動がシャーシに伝わるのを抑えて快適な乗り心地を実現する一方、スポーツ走行時にはマウント部を固めることでエンジンのゆれを抑制。ダイレクトなステアリングレスポンスと正確かつ俊敏な走行を可能にする。

AMGスピードシフトMCT9速トランスミッション

トランスミッションにはAMGスピードシフトMCT9速トランスミッションを採用。一般的なトルクコンバータに代わり湿式多板クラッチを採用した設計は軽量かつ低慣性でレスポンスに優れ、ドライバーのアクセル操作に瞬時に反応するマニュアルトランスミッションのようなダイレクト感が魅力という。

また、レーススタート機能も備えており、発進加速性能を最大限に引き出すことができ、0-100km/h加速は3.2秒となる。

AMG4マティック+

前後トルク配分の連続可変が可能なAMG4マティック+を採用。走行状況やドライバーの操作に応じて前後トルク配分を50:50~0:100 の間で連続可変させる。

これにより、トラクション重視の4WDと純粋なFRをシームレスに切り替える。インテリジェントな制御システムが状況に応じて理想的な前後トルク配分を計算するため、最適なトラクションを確保することができるという。

物理的限界付近までトラクションを最大化することが可能となり、ドライ/ウェット/スノーなどいかなる路面状態であっても走行安定性/走行安全性を高め、なおドリフトモードでは前後トルク配分が0:100の完全なFR固定状態で走行することができる。

シャーシ

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションをはじめ、電子制御AMGリミテッドスリップ・デフやリア・アクスルステアリングなど、数々の高度なコンポーネントにより、スーパースポーツに相応しい極めてダイナミックな走行性能を実現。同時にそれらは日常での走行にも高い快適性をもたらすと彼らは述べた。

5リンク式サスペンション

5本のコントロールアームによって各ホイールを常に最適にガイドすることで、接地面積を最大限に確保する革新的な5リンク式サスペンションを前後ともに採用。

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

バネ下重量の軽減のため、コントロールアーム/ステアリングナックル/ホイールキャリアは鍛造アルミニウム製となっている。

大きめのキャンバー角によって高いコーナリングスピードを実現するばかりではなく、限界域においても優れた接地性を誇り、同時にレーンチェンジや強い横風、路面の凹凸などによる荷重の変化に対するレスポンスは穏やかに抑えられる。ステアリング機構への影響を最小限に抑えた加速が可能なため、走行安定性ばかりではなく快適性にも寄与する。

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンション

メルセデスAMG GTクーペ専用に進化させた油圧式のAMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションを標準装備。電動機械式の連続可変式電子制御スタビライザーにより、コーナリングや車線変更時のロールをより効果的に抑制することで、メルセデスAMGならではの俊敏かつ正確なハンドリング特性をもたらす。

また、液体封入ダンパー内にバルブを2個設けた電子制御ダンピングシステムにより、伸び側と縮み側の減衰力を独立して制御。走行状況や路面状況を1秒間に最大1000回分析し、スタビライザーの設定を瞬時にかつ正確に制御することで、従来の油圧制御式システムに比べて極めて高速なレスポンスが得られる。

これにより日常走行では、路面の片側に凹凸があっても個別に制御されるため、快適性も向上する。

フロントアクスルリフトシステム

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションの油圧制御システムを利用した、フロントアクスルリフトシステムを標準装備。フロントエンドを最大30mm上昇させることで、駐車場の出入り口や踏切の段差などにおいてフロントバンパーをダメージから守る。

この操作はメディアディスプレイで行うが、GPSによって作動させる地点を記憶させることも可能となる。

電子制御 AMG リミテッド・スリップ・デフ

リアアクスルに電子制御のAMGリミテッドスリップ・デフを標準装備。あらゆる走行状況において、強大なトラクションによる走行安定性はもちろん、より俊敏かつ正確なハンドリングを実現。

高速レーンチェンジやスラロームにおける走行安定性が向上するほか、市街地などにおける快適な乗り心地の実現にも貢献。また、雨天時や雪道などの悪条件下での安定性向上にも寄与する。

AMG強化ブレーキシステム

優れた制動力と正確なコントロールを可能にするAMG強化ブレーキシステムを搭載。軽量化とさらなる冷却効率を実現すると同時に、ウェットコンディションでのレスポンスが向上した。

リア・アクスルステアリング

アジリティと走行安定性を向上させるリア・アクスルステアリングを標準装備。

100km/h以下での走行時は、後輪が前輪と逆方向に最大2.5°に操舵され、これによりコーナリング時の回頭性を高めて卓越した俊敏さを実現。その他のメリットとしては、方向転換時や駐車時など日常の走行場面における機動性の向上や回転半径が小さくなることなどが挙げられる。

100km/hを超えると、後輪は前輪と同じ向きに舵角が与えられ(最大舵角0.7度)ることによりホイールベースを長くすることと同じ効果が生じるため、操縦安定性が高まる。同時に、方向を変える際、後輪に働く横力がはるかに速く高まるようになり、ステアリング操作に対するレスポンスが素早くなるメリットがある。

リア・アクスルステアリングはコーナリング性能を高めるだけでなく、限界域でのコントロールをより容易なものとするため、突然の回避操作でもドライバーをアシストすることでアクティブセーフティを強化した。

リア・アクスルステアリングのレスポンスは、AMGダイナミックセレクトのドライブモードによっても変わり、例えば「スポーツ+」モードでは、低速でいっそう敏捷でダイレクトなレスポンスとなるという。

AMGダイナミック・セレクト

ドライブ/トランスミッション/エグゾーストシステム/サスペンションなどの設定を統合制御するAMGダイナミックセレクトを標準装備。「スリップリー」/「コンフォート」/「スポーツ」/「スポーツ+」/「レース」/「インディヴィジュアル」の計6つの走行モードによって、車両の特性を瞬時に切り替えることができる。

これにより、モードを切り替えるだけで、快適なクルージングからスポーツ走行まで、走行シーンに合わせて様々なキャラクターを味わうことが可能となった。

例えば「スポーツ」/「スポーツ+」モードではエンジンやトランスミッションの反応、ステアリングやサスペンションの特性がより俊敏となり、メルセデスAMGならではのドライビングプレジャーを生み出す。

また「レース」モードでは全てのパラメーターが最大のパフォーマンスを発揮するように設定され、サーキット走行のための卓越したドライビングダイナミクスを生み出すことに加え、前後トルク配分が0:100の完全なFR状態で走行するエモーショナルなドリフトモードも利用可能となる。

さらにAMGダイナミックセレクトの機能の1つとして、AMGダイナミクスを搭載。

AMGダイナミックセレクトで選択したモードに応じて、ESP/4マティック+/電子制御リミテッドスリップ・デフの設定が切り替わり「ベーシック」/「アドバンスト」/「プロ」/「マスター」の4つのモードが備わり、走行状況や好みに応じてハンドリング特性をより幅広く調節することができるため、走行安定性とドライビングダイナミクスのバランスを思いのままに操ることができるという。

エアロダイナミクス

メルセデスAMGのモータースポーツの技術を活用し、空気抵抗と揚力の低減をバランスよく実現。

ドライバビリティや高速走行時の走行安定性が向上するとともに、優れた効率が得られ、ウインドノイズも低いレベルに抑えられた。また、それらを実現するためのアクティブに作動するコンポーネントはエクステリアデザインにシームレスに統合されている。

エアパネル

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新型「メルセデスAMG GTクーペ」

フロントグリルとフロントエプロンのエアインテーク内に空力性能と冷却性能を両立する2ピースのエアパネルを採用。電子制御式のルーバーが走行状況に応じて電気モーターにより瞬時に開閉。

通常時は閉じることで空気抵抗を少なくするとともに、フロントに働く揚力を低減する。コンポーネントが一定の温度に達し、冷却の必要が生じた際には、ルーバーを開くことで効果的な冷却を行う。

リトラクタブルリアスポイラー

5ステージで可変するリトラクタブルリアスポイラーを標準装備。車速や重力加速度など様々なパラメーターを考慮して5段階で角度を調節。ダウンフォースを効果的に高めることで高速走行時の安定性を向上させ、ドライビングダイナミクスを最大化する。

アクティブ・エアロダイナミクス・システム

走行安定性を高めるアクティブ・エアロダイナミクス・システムを標準装備。

AMGダイナミクスの設定が「ベーシック」/「アドバンスト」かつ時速100km以上で走行した際、エンジン前方のアンダーボディに配置された約2kgの超軽量カーボンファイバーパーツが約40mm下降し、ベンチュリ効果によって車体下部への空気の流れを加速させることでフロントアクスル部のリフトを時速250km走行時で約50kg抑制するという。

効果的にダウンフォースを発生させることでコーナリング時や高速走行時の操縦安定性を高め、空気の流れを制御することでブレーキの冷却効果も高まるため、スポーツ走行時も安定したブレーキングパワーを維持できる。


【リアシート設定で更に911の対抗馬へ?】 新型メルセデスAMG GTクーペ 4LのV8ツインターボで武装