ミト後継がついに現れた
イタリアの自動車メーカーであるアルファ・ロメオは、新型SUV「ミラノ」を欧州で公開した。マイルドハイブリッド車とEVが用意されている。
【画像】グリルも内装もすべて新しい。コンパクトだが高級感あるイタリアンSUV【アルファ・ロメオ・ミラノを写真でじっくり見る】 全29枚
Bセグメントのコンパクトモデルで、プレミアム感と走る楽しさを両立し、新世代のユーザー獲得を目指す。ミラノという車名は、アルファ・ロメオの故郷であるイタリアの都市にちなんで名付けられた。
位置づけとしては、生産終了したジュリエッタやミトの精神的後継車となる。同社のジャン・フィリップ・インパラートCEOは、「アルファ・ロメオのファンの多くは、ミトやジュリエッタを懐かしんでいる。お帰りなさい」と述べている。
ミラノのボディサイズは全長4170mm、全幅1780mm、全高1500mm。大胆な新デザインを採用しつつも、膨らみを持たせたフェンダー、「コーダ・トロンカ」と呼ばれるリアエンド、SZにインスパイアされたヘッドライトなど、かつてのアルファ・ロメオを彷彿とさせる特徴を備えている。フロントグリルは新しい解釈を採り入れたデザインである。
EVは航続距離410km
プラットフォームを共有するシトロエンC4、フィアット600、ジープ・アベンジャー、プジョー2008と同様、ミラノにはガソリンエンジンベースのマイルドハイブリッドと、完全電気駆動のEVがある。
ハイブリッドの「ミラノ・イブリーダ」は、1.2L 3気筒ガソリンエンジンに48Vスタータージェネレーター、電気モーター、6速ATを組み合わせ、合計出力136psを発生する。短距離の電気走行も可能だ。現在は前輪駆動のみだが、後に四輪駆動バージョンも登場する予定だ。
EVの「ミラノ・エレトリカ」は、54kWhのバッテリーと最高出力156psの電気モーターを搭載し、1回の充電での航続距離は最長410kmとされる。最大100kW充電に対応するほか、「優れたパフォーマンスと魅力的で非常にスポーティな走り」を実現しているという。
アルファ・ロメオは「セグメント最小の重量と最適な質量配分」を持ち、「クラス最高」のドライビング・ダイナミクスを備えているとした。シャシー設定はスポーツセダンのジュリアGTAを手がけた開発チームによってチューニングされたという。
EVの高性能バージョンであるヴェローチェは、アバルト600eと共通の最高出力240psの電気モーターとトルセン・リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを搭載し、フロントとリアにアンチロールバー(スタビライザー)を装備している。
また、ヴェローチェのステアリングギア比は14:1、車高25mmダウン、より強固なアンチロールバー、「高性能」タイヤを装着する。フロントブレーキには4ピストンキャリパー付きの直径380mmディスクを採用し、制動力を高めている。
スポーティかつ上質なインテリア
現時点で、ミラノには3種類のグレードが設定されている。
「テクノ」グレードには、電動テールゲート、LEDマトリクス・ヘッドライト、バーチャル・アシスタントが装備される。「プレミアム」グレードにはマッサージ機能付きシート(運転席)、アンビエントライトが追加され、「スポーツ」グレードはサベルト製シートやアルカンターラなどスポーティな仕上げとなる。
全車共通の標準装備として、10.25インチのデジタルメータークラスター、同10.25インチのインフォテインメント・タッチスクリーンがあり、トランク容量は400Lとなる。EVではフロントに充電ケーブル収納ベイが設けられている。
イタリアでは現在、注文受け付けが始まっており、今後半年以内に28の市場で発売される予定だ。車両価格は発表されていないが、インパラートCEOはイタリアでの価格は3万ユーロ(約490万円)程度になるだろうとほのめかしている。
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