文字通り“無敵”の強さを誇る井上。その強さはさまざまな論争を巻き起こす。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 規格外の強さがゆえ、か。世界スーパーバンタム級の4団体統一王者である井上尚弥(大橋)の戦いに思わぬクレームが飛んでいる。

 注目を集めるのは、井上のマッチメイクだ。目下、敵なしの快進撃を続ける“怪物”は、21年6月にマイケル・ダスマリナスフィリピン)とのWBA・IBFバンタム級タイトルマッチを米ラスベガスで行ってから5戦連続で日本でのタイトルマッチを実施。来る5月6日に迎える元世界2階級制覇王者のルイス・ネリメキシコ)との防衛戦も東京ドームでの開催が決まっている。

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 国際化が進んでいる昨今のボクシング界を考えても必然の方針ではある。だが、“ボクシングの本場”である米国では異論が噴出。「なぜイノウエはアメリカに進出しないんだ?」という意見がXを中心に相次いだ。

 こうした意見に井上本人も“反論”。4月13日に自身のXで「アメリカに来て試合をしろと言うコメントに????? 今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」と主張した。

 軽量級では異例とも言えるファイトマネーを生み出している。その実績があるからこその主張だった。しかし、絶対王者の意見に米メディアも黙ってはいなかった。専門サイト『Boxing News 24』は「『TOP RANK』(井上の共同プロモーター)は、イノウエがアメリカで戦うことに抵抗している現状では、彼をスターにすることはできないだろう」と断言。さらに「それだけの価値がここ日本にはある」とした井上の姿勢を「頑固で難解なスタンス」と切り捨てる。

 さらに同メディアは井上を「渡米すれば、自分の身を危険にさらして対戦相手と戦うことを期待され、集中砲火を浴び、そして負けることを知っているに違いない」と皮肉交じりに批判。昨年7月に井上が撃破した元スーパーバンタム級2団体統一王者のスティーブン・フルトン(米国)を「コアなファンしか知らない」と断じ、こうも物申す。

イノウエの才能のない無名選手との対戦癖は、彼がアメリカで戦い、レベルの高い相手と対戦しない限り、スターになる助けにはならないだろう」

 散々に煽った同メディアだが、井上が「日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く」と語っている以上、どこか暴論のように聞こえなくもない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

もはや暴論? 日本で戦い続ける井上尚弥は「頑固で難解」 米メディアがまさかの批判「渡米すれば、集中砲火を浴びる」