村上に待望の今季1号アーチが飛び出した(C)産経新聞社

 待望の一発がついに飛び出した。ヤクルト村上宗隆4月14日DeNA戦(横浜スタジアム)に「2番・三塁」で先発出場し、開幕13試合目、54打席目で今季1号となるソロ本塁打を放った。

 初回一死、カウント3-1から大貫晋一の5球目のストレートをバックスクリーン左へ運ぶと「久々に打てて嬉しかった」と、ガッツポーズも見せた。

【動画】待望の今季1号!村上宗隆がバックスクリーン左へ本塁打

 村上は「チームの優勝と、個人としてはもう1回三冠王を取りたい気持ちがあるので、そこに向けて頑張りたい」と話していた。

 前日13日に今季初打点を記録し、開幕から53打席なかったアーチが生まれたことで、今後の「本塁打量産」と、その先にある2度目の三冠王という目標へ向けて、再び走り出した。

 村上に対しては相手チームも長打を警戒するだけに、フォアボールになることが多い。実際に両リーグトップのフォアボール15個を選んでいる。

 本調子ではない期間でさえ“四球攻め”も見られた。今後もフォアボールの数は増える可能性は高く、村上の後を任される打者の存在がポイントになりそうだ。

 村上が4番に座った3月29日の開幕戦には、5番にチームのキャプテンである山田哲人が座った。その山田が下半身のコンディション不良で離脱してしまい、その後は主にドミンゴ・サンタナが5番を務めた。

 サンタナは現在、打率.341、得点圏打率は.615と高い数字を誇っている。さらに、ホセ・オスナも打率.321と調子を上げてきている。村上が本来の打順である4番に復帰しても、両外国人選手の状態次第では村上との勝負を避けられない場面も増えるだろう。

 四球の多さに村上も「なかなか甘い球は来ない」と理解していた。その中で「打てないと騒がれますし、それも目に入ってきた。しっかり打席をこなす中で自分のスイングができた」と、打撃の状態を上げることに集中してきた。

 2022年にシーズン56本塁打と令和初の三冠王を獲得した稀代のスラッガーに、ようやく光が差し込んできた。

[文:別府勉]

【ヤクルト】村上宗隆の気になる四球の多さ…「本塁打量産」へ勝負の場面は増えるか