シンガポール華字紙・聯合早報は15日、ドイツ自動車工業会が中国製電気自動車(EV)への課税に反対姿勢を示したと報じた。

記事は、米ブルームバーグの報道を引用。それによると、ドイツ自動車工業会のヒルデガルト・ミュラー会長は先日、「中国との経済貿易の往来はドイツに大量の雇用機会を提供している。われわれの企業は記録的な資金によって変革を進めているが、その一部はこの中核的な販売市場からもたらされている」と述べた。

同氏はまた、「貿易戦争が勃発すれば、欧州連合(EU)が中国政府による中国製自動車への補助金を狙って課した関税が急速にマイナスの影響を及ぼし、EVやデジタル技術の普及というEUの目標をリスクにさらす可能性がある」とも指摘したという。

欧州委員会は、中国から輸入されたEVが違法な補助金を受けていたことを示す「十分な証拠」があると判断。税関当局に対し、中国から輸入されたEVの登録を開始し、調査が終了した時点でこれらのEVに対してさかのぼって関税を課し、生じた損失を補填(ほてん)するよう指示している。

ドイツのショルツ首相は14日から訪中しており、記事は「ドイツ自動車工業会がショルツ首相の訪中前にこのような警告を発したことは、両国が直面するであろう圧力を予告している」と指摘した。(翻訳・編集/北田)

シンガポール華字紙・聯合早報は15日、ドイツ自動車工業会が中国製電気自動車(EV)への課税に反対姿勢を示したと報じた。資料写真。