OSK日本歌劇団『レビュー春のおどり』が14日、大阪松竹座で千穐楽を迎えた。退団を控えるトップスターの楊琳、娘役トップスターの舞美りらにとっては最後の「春のおどり」、大阪松竹座ラストステージとなり、満員のファンから大きな拍手が贈られた。

【写真】楊琳&舞美りら、紫のコスチューム&ドレスで息ぴったり 

 公演の第1部は、2年ぶりに和物のレビューショーをとなり、華やかな元禄若衆の舞、民謡メドレーなど“OSK和物”の真骨頂で魅了。対して第2部は、情熱的なラテンダンス、エネルギッシュなラインダンスほか、連続テレビ小説ブギウギ』の舞台シーンをOSK版に大きくアレンジしたシーンなど、生命力あふれる洋物レビューショーで魅了した。

 終演後には、楊と舞美のサヨナラショーを開催。『円卓の騎士』(2018年・19年上演)から「恋という名の魔物」「不幸を孕む結婚」を歌い上げ、さらに楊のトップスターお披露目公演『STARt』(21年上演)からデュエットダンス「僧侶と紫陽花」で華やかに舞った。

 そして、OSKのテーマ曲「桜咲く国」と共に桐生麻耶が舞台正面に登場し、力強くも美しいソロダンス。続く「OSK Symphony」に合わせ、華月奏、千咲えみ、翼和希に舞美、楊が加わると、場内は温かな雰囲気に包まれた。

 最後は出演者総出でエネルギッシュな「青のINFINITY」を歌唱。楊・舞美にとっての思い出深い公演楽曲の数々がステージを彩り、明るく未来を照らすようなエンディングが幕を下りると、会場からは2人の「春のおどり」ラストステージを惜しむよう拍手が鳴りやまなかった。

楊と舞美は、京都・南座『レビュー in Kyoto』(7月13日~21日)、東京・新橋演舞場『レビュー 夏のおどり』(8月7日~11日)をもって、OSKを退団する。

■トップスター・楊琳 コメント
舞台を終えてみるとやはり「ありがとう」という感謝の一言に尽きます。大阪松竹座、そしてこれから迎える南座、新橋演舞場での公演は、私たちにとってかけがえのない大切な公演です。こうした公演ができるのも、観に来てくださる皆様あってのことです。本当にありがとうございます。私の初舞台は大貴誠さんの退団公演でした。その際におっしゃった「OSKに入るとみんないい子になる」という言葉が印象深くも、当時はその理由が分からなかったのですが、自分がトップに就任した際に、「感謝を知る人になるから」だと気づきました。これからも感謝を忘れずに生きていきたいと思います。OSKに一目ほれした自分が、まさか舞台上の真ん中からこうして皆様にお会いできるが来るなんて夢にも思いませんでした。夢みたいな人生を歩ませていただき、本当にありがとうございました。

■娘役トップスター・舞美りら コメント
『春のおどり』すべてのステージを終え、OSK日本歌劇団の舞美りらとして大阪松竹座のステージに立つことはもうないのだと改めて実感いたしました。私の大好きな上級生の方に「大阪松竹座の舞台では、歴代の上級生の方々がいつも見守ってくださっているよ」と教えていただきました。そのお言葉を胸に毎日心を込めて舞台に立ちました。7月には南座、8月には新橋演舞場にて公演がございます。大好きなOSK日本歌劇団、そして歌劇の世界でもう少しだけ夢を見させてください。本当にありがとうございました。

OSK日本歌劇団『レビュー 春のおどり』千穐楽