美術館・絵画

自分の才能を信じたある男が、なんとも残念な結果になってしまった。アメリカの『NEW YORK POST』や『CNN』が報じている。

 

■自身の絵画をこっそりと…

話題になっている男(51)は、ドイツミュンヘンにある美術館「ピナコテーク・デア・モデルネ」の従業員だった。

長らくアーティストとして成功することを夢見ていた男は、ある日の早朝、誰もいない隙を狙って壁に2つの穴を開け、自身が制作した絵画を飾った。

それも美術館の一番の見どころともいえるレオナルド・ダ・ヴィンチアンリ・マティスなど、著名な芸術家と同じギャラリーに飾るといった大胆さだった。

 

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■即日解雇と永久追放の罰

美術館の広報担当者によると、開館後すぐ、警備員たちが不審な絵画を発見。しかし来館者で賑わっており、大きな騒ぎになることを防ぐために、男の絵画は午後6時の閉館まで展示され続けたという。

絵画は撤去されたが、同じ頃に男から「アーティストとしての自分の作品を飾った」と自白する旨のメールが届いていた。男には即日解雇が言い渡されたうえ、永久追放されるといった厳しい対応がなされたという。

 

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■器物破損の疑いで捜査

絵画は2本の金属製のネジでしっかりと取り付けられていたため、取り外す際に、壁に破損が生じてしまった。

ミュンヘン警察署は器物破損の容疑で男の捜査を続けており、有罪判決を受けた場合には、罰金または最長2年の懲役刑が科せられる可能性がある。

また壁の修繕にかかる費用は約100ユーロ(約1万6,000円)と推定されており、その支払いも男に請求される予定だ。

 

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■男の作品への称賛なく

男は同美術館の技術サービスチームとして雇われており、普段から自身を「フリーランスのアーティスト」だと名乗っていた。

また警備員たちは同じ作品を毎日のように見ているため、「不審な作品があればすぐに気が付きますよ」とメディアに明かしている。

なお、その日は大勢の来館者が訪れたにもかかわらず、男の作品に対する称賛の声は一つも寄せられなかったという。

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