春は出会いの季節。大人になると、友人を作る機会も少なくなるもの…。だからたまに気の合う人と知り合うと、とても嬉しいんですよね。


しかし、実は相手が重要なことを隠していたとしたら…?


デッサン教室で知り合った女性



写真はイメージ(以下同じ)



半年ほど前から週末にデッサン教室に通っているサキさん(仮名・30歳)。サキさんは小柄で小動物をイメージさせる可愛らしい女性で、普段は外資系の企業で働いています。最近は数年ぶりにできた彼氏とも順調で、色々なことが軌道に乗っているんだとか。


「昔、美術部だったこともあって、たまに絵を描きたくなるんです。デッサンみたいに無心で行うものが好きなんです」


しばらくして、サキさんと歳が近そうな女性が教室に入会してきました。


◆歳が近い女性との出会い
「そこのデッサン教室は、その時は50代以上の方が多くて、歳の近い女性がいなかったので親近感が湧きました」


彼女の方もサキさんに親近感を抱いたようで、ふたりはたびたび話をするように。


「彼女はマイさん(仮名)と言い、私のひとつ年上でした。笑顔が絶えない黒髪の似合う美人さんで、すごくフレンドリーであっという間に仲良くなりました」


◆新しい友人ができた喜び



ふたりはデッサン会の後などに、度々お茶をするようになりました。


「大人になってからの新しい友人なんて、なんだか久しぶりだったので嬉しかったです。好きな芸人さんとかがかぶることが多くて、他愛もない話で盛り上がりました」


マイさんはよく「私たち趣味が似てるね」と言っていたそう。


◆マイさんからの助言
ある時、サキさんは彼氏とちょっとしたことで喧嘩をし、マイさんに愚痴を言いました。


「大した喧嘩ではないんですけど…。彼、私が彼の誕生日にプレゼントしたシャツを全然着てくれないんですよ。だから『なんで』って聞いたら『派手すぎて着れない』とか言うんです。だから事前にどんなのが欲しいか何度も聞いたのに…。その時は『なんでもいいよ~』とか適当に返事するんです」


そんな喧嘩の内容を、マイさんに少し愚痴ったところマイさんから驚きの言葉が。



「マイさんは『それはこだわりが強くて頑固な人だと思う。そういう人は苦労するよ』って言っていました。そこまで大ごととして話したつもりでもなく、会話の話題のひとつだったのですが…」


少し極端な助言に違和感を感じつつも、アドバイスに感謝したサキさん。


◆彼氏の過去の写真を見て驚愕!
しかし、それ以降何かと、サキさんに彼氏の話を聞いてくるマイさん。


「『どう?頑固な彼氏とはまだ上手くいってる?』とか聞いてくるようになったんです。そんなに彼氏の話をたくさんした訳じゃないのに、簡単に頑固って決めつけるなぁ~とは思いました」


サキさんは「なんか変だな」と思うものの、深く追求はしませんでした。



そんなある日、サキさんの彼氏がスマホで撮った写真を見せてくれていた時のこと。何気なくスクロールされた過去の写真に、なんとマイさんを発見します。「えっ!?この人、知り合い!?」と思わず聞いたサキさん。


「写真は彼氏とマイさんを含めた数人で写っているものだったのですが、驚いて彼氏に誰なのか聞くと、1年以上前に数週間だけ付き合った女性だったんです」


◆彼からの忠告
詳しく話を聞くと、友人たちとの飲み会で紹介される形で知り合い、マイさんからの猛アタックでお付き合いを始めたふたり。ですが彼氏さんの気持ちが盛り上がらず、「やっぱりごめん」と1ヶ月も経たずしてお別れしたんだとか。


サキさんは驚いて、自分がマイさんと知り合った経緯を説明します。


すると彼は少し考えた後、「実は、別れた時、俺のTwitterの裏垢(うらあか)を突き止めてフォローしてきたり、行きつけの店に突然現れたり、結構執着されてて、もめたんだよね…。もしかしたら、俺のSNSから君を見つけて接近したのかも…。彼女とは仲良くしない方がいいかもな…」と忠告しました。


「仲良くしていたから信じたくなかったけど、どこか少しつじつまが合う気がしたんです…」


◆彼女を信じられなくなってしまい…



次のデッサン教室の後、サキさんは彼女をお茶に誘います。かまをかけるように「彼から聞きました」と話したサキさん。


「するとマイさんは顔をこわばらせていました。それから『デッサン教室で知り合ったのは本当に偶然だったの。でもあなたのインスタを見て彼の今の彼女だと気がついたけど、元カノだとは言いづらくて…。今まで言えなくてごめんね』って」


サキさんは、それが嘘か本当か分からなくなってしまいました。


「今までの彼女の言動を思い返すと、やっぱりそれとなく彼との仲を拗らせようとしていた気がするんです。それに…よく考えたら最初から私にすごくフレンドリーだったのは、彼女だと知っていて私に近づくためだったのかな…とかも思えてきて…」


純粋に仲良くなったと思っていたサキさんは、裏切られたような気持ちになってしまいました。


◆行動を探るようなメッセージが
それから楽しみにしていたデッサン教室への足取りも重くなってしまったサキさん。


「会うのが気まずくなってしまったので、マイさんには黙って、デッサン教室に通う曜日を変えました」


するとマイさんからは以前より頻繁にLINEがくるように。


「LINEで色々探ってくるような感じなんです。『もしかして通う日を変えちゃったの?』とか行動を探られてるようなLINEが多くて…」


しばらくしてサキさんは、彼女のLINEもSNSもブロック。「一度裏切られてしまうと、なかなか信頼はできません。今度は純粋にお友達になれる人と出会いたいです」と話しています。


<文/まなたろう>


【まなたろう】多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。



写真はイメージ(以下同じ)