不動産投資を始める時に気を付けなければならないのが、「NG不動産」を買わないこと。しかし、どのような物件を避けるべきなのか初心者にはなかなか難しいもの。そこで本記事では、浅井佐知子不動産鑑定事務所代表の浅井佐知子氏による著書『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)から一部抜粋し、NG不動産を見極めるポイントについて詳しく解説します。

登場人物

浅井佐知子先生…不動産鑑定士で不動産投資コンサルタントをしている、不動産のスペシャリスト。初心者にもわかりやすく、不動産投資について解説!(以下、浅井)

山田さん・会社員(30代)…株をやっているが仕事が忙しく、株価のチェックがおっくうに。不動産投資をはじめて、趣味に使うお金がほしいと考えている。(以下、山田)

鈴木さん・会社員(30代)…浅井先生の本を読んで、不動産投資に興味を持った。貯金が貯まってきたので、将来のために副収入がほしいと考えている。(以下、鈴木)

入居者が決まりにくい物件には理由がある

浅井:物件には、選んではいけないNG物件があります。

鈴木:どんな物件がNGなんですか?

浅井:事故物件や近くに嫌悪施設がある物件は避けるようにしましょう。心理的に嫌がる人が多く、入居者が決まりにくい傾向にあります。物件の種類や地域に関わらず避けたい事項です。

山田:自分が住むことを考えても、避けたいですね……。

浅井:ほかにも、入居者が決まりづらい間取りではないか、設備の不足がないかを確認しましょう。

鈴木:間取りは区分マンション、戸建て、アパートごとに見てきたポイントですね!

浅井:その通りです。また、空室の場合は、物件の賃貸が成り立つ地域かどうかも大切です。

入居者が嫌がる物件の特徴①:事故物件

販売図面の備考欄に「告知事項あり」「心理的瑕疵かしあり」とあると事故物件。不動産仲介会社に事故の内容を確認し、他殺だった場合は特に避ける。3年以上経っていたり、隣の部屋や隣の物件が事故物件だったりする場合は、告知義務がないので調べて確認する。

調べ方

・不動産仲介会社に聞く

・「大島てる物件公示サイト」で調べる

事故物件の場所や事故の内容がわかる。ただし、一般の投稿を集めているだけなので、参考程度に。

入居者が嫌がる物件の特徴②:嫌悪施設が近い

心理的に印象がよくない施設や、災害時などに危険が及ぶ施設が近くにあると、入居者が決まりづらい。ネットのマップを活用して、購入したい物件の近くの施設を調べよう。また、物件を購入する前の現地調査でも確認する。

嫌悪施設の例 ・お墓 ・高圧線鉄塔 ・火葬場 ・ゴミ焼却炉  ・下水処理場 ・ゴミ屋敷事故物件 など

入居者を決めやすくする物件選びのポイント①:物件の間取り・設備に競争力があるか

必須の設備 ・エアコン ・追い焚き機能付きのバスタブ※ファミリー向けの物件の場合のみ ・温水洗浄便座 ・テレビモニター ・インターホン ・洗濯機置き場

専有面積は狭すぎないことが重要。単身者向けでは18㎡以下、ファミリー向けでは60㎡以下は避ける。築年数が古いほど、床が絨毯じゅうたんだったり、洗濯機置き場がなかったりと現代のニーズに合っていない可能性がある。設備が整っていると入居者が決まりやすい。特に、単身者向けでは重要。

入居者を決めやすくする物件選びのポイント②:賃貸が成り立つ地域なのか

不動産投資ブームで賃貸物件がたくさん建ってしまった地域や、駅や都心があまりにも遠く不便な場所は避ける。

災害リスクの高い物件&地域は避ける

浅井:物件を選ぶとき、災害リスクの高い物件は避けるようにしましょう。災害リスクは、きちんと調べることで回避できます。

山田:災害で建物が壊れたら大変ですね……。災害というと、地震でしょうか?

浅井:水害などもあります。特に、土砂災害の可能性がある地域は、避けるようにしてください。ネットで全国のハザードマップを調べることができます。

鈴木:ハザードマップで紫色や赤色の地域は災害時の被害が大きいということですが、買ってはいけない地域なんですか?

浅井:災害リスクが高い地域は避けたほうがよいでしょう。少しでもリスクがある場合、過去の災害履歴や災害対策をしているかどうか、確認することが大切です。

鈴木:災害リスクがある地域の物件は、購入するかどうかを慎重に検討する必要があるんですね。

災害リスクの調べ方

イラスト ©長野美里

浅井佐知子

不動産鑑定士/不動産投資コンサルタント

※本記事は『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

(※写真はイメージです/PIXTA)