岡田監督は打線を組み替えて勝利に結びつけたが、劇的に改善されたわけではない。さらなる工夫が必要になりそうだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 5試合ぶりの白星も、課題は浮き彫りとなったままだ。

 4月14日、阪神はバンテリンドームで、セ・リーグ首位を走る中日とのゲームを2-1で制し、同カード今季初勝利を記録した。両チームの先発、阪神の才木浩人、中日の梅津晃大による投手戦が展開され、1-1で迎えた7回表に中野拓夢の適時打が決勝点となり、阪神が中日の連勝を6で止めた。

【動画】「振りましたダメでした」2024年4月14日【 阪神 vs 中日 】 佐藤義則の眼

 打撃陣の不調が続く阪神は、1~8番まで全打者を前日までと入れ替え、この日の試合に臨んでいる。開幕から不動となっていた1番・近本光司、2番・中野をそれぞれ3番、8番へ移し、先頭には木浪聖也、2番に梅野隆太郎を起用。佐藤輝明を今季初めて4番に据え、大山悠輔を5番に下げるなど、思い切ったテコ入れを図った。

 だが、接戦となったゲームで結果的に勝利をあげたものの、わずか4安打、新たに組み換えとなったクリーンナップも無安打に終わり、中日先発の梅津に対し8回まで13個の三振を喫している。ラインナップの変更が功を奏したとは言い難いこの日の阪神打撃陣の内容に対し、球団OBからも奮起を促す声が発せられている。

「今の打線の状態のままでは得点が入る雰囲気が無い」

 そう評するのは、2002年から3シーズンにわたって阪神投手コーチを務めた佐藤義則氏だ。YouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』で、この日の阪神打線のパフォーマンスに自身の見解を述べている。

「(阪神は)勝つことが今は一番いいこと」などとこの日のゲームを振り返りながら、大幅に入れ替えとなった打線については、「勝ったけれども、(打者は)これだけ不調であることを自覚してやらないといけない」と言及。

 また、「速いボールへの対応も考えていかないといけない」「ランナーが出てから掻き回すことなどをしていく必要がある」と攻撃時の意識についても言葉を向けながら、「27個のアウトの内、計15個を三振で取られているのはさみしい限りかなと思います」と話し、表情を曇らせた。

 加えて、「追い込まれて落ちるボールを振ってしまう。高めのボールは打ちに行っても、前に飛ばずにファウルになりカウントを悪くする。そういうパターンが多い」と各打者へボールの見極め方にも苦言を呈しており、その上で、「これだけ三振を取られたら言わざるを得ない。火曜日から、また打線が奮起できるように頑張って欲しいです」とエールを送った。

 佐藤氏は他にも、この日の大幅な打線変更を踏まえ「(岡田彰布)監督も苦労している」と指揮官の心境にも想いを巡らせている。

 対戦カードも一巡し、4月16日からはふたたび巨人との3連戦となり、甲子園で宿敵を迎え撃つ。本拠地で勢いに乗るためにも、打撃陣、各打者の本格的な“開花”に大きな期待が寄せられている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「さみしい限り」の15三振…打撃不振が続く阪神に球団OBが見解「不調であることに自覚を」