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「次の成長に向けた生産性向上」 重役も退任へ

米国のEVメーカーであるテスラは、全世界の従業員の10%(約1万4000人に相当)を削減する。約4年ぶりに生産台数が減少したことを受けてのものだ。

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米Elektrek紙の報道によると、従業員宛のメッセージを通じて人員削減を発表したという。2023年末時点の全世界の従業員数は約14万473人で、今回のレイオフでは1万4000人以上が職を失うことになる。

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具体的な部署や人数については未公表だが、世界各地の約1万4000人が対象と見られる。

テスライーロン・マスクCEOはメッセージの中で、「テスラは長年にわたり急成長を遂げ、世界中に複数の工場を展開してきた。この急速な成長に伴い、特定の分野で役割や職能が重複している。次の成長段階に向けて、コスト削減と生産性向上のために会社のあらゆる側面を検討することが非常に重要だ」と述べている。

また、マスクCEOは、人員削減によってテスラが次の「成長フェーズのサイクル」に向けて「無駄なく、革新的で、ハングリー」になれるとした。

テスラは2024年第1四半期の納車台数は、市場予想を13%下回る約38万7000台だった。

テスラは米国のカリフォルニア、テキサス、ニューヨークネバダドイツベルリン、中国の上海と世界中に工場を持っている。しかし先月、上海工場での生産を減速させたほか、新型サイバートラックを生産するテキサス工場では従業員のシフトを短縮した。

また、ベルリン工場近隣の火災や紅海でのフーシ派による船舶攻撃など、さまざまな要因によって生産・納車に影響が出ていると発表した。

本稿執筆時点では具体的にどの部署が人員削減の対象になるかは公表されていないが、ロイター通信の報道によると、カリフォルニアとテキサスの従業員の一部が退職を通告されたという。

退職者の中には、テスラに18年間勤め、現パワートレイン&エネルギー担当上級副社長であるドリュー・バグリーノ氏も含まれる。同氏は初代ロードスターのモーター制御システムを開発したほか、モデルSのデュアルモーターシステムの設計にも携わった人物だ。

バグリーノ氏は退任発表の中で次のようにコメントしている。

「昨日、18年間在籍したテスラから離れるという難しい決断を下した。長年にわたり、テスラで数え切れないほどの素晴らしい才能を持った人たちと一緒に働き、彼らから学べたことに感謝している」

「チームとして問題解決に取り組めたこと、そして持続可能なエネルギーへの移行を加速させるというミッションに貢献できたことに満足している」

「2006年にファームウェア/電気技術のジュニアエンジニアとして入社したときのわたし予想をはるかに超えて、テスラは世界で最も売れている自動車を生み出す企業になった」

弊誌は人員削減が各地域に及ぼす影響についてテスラに問い合わせたが、同社はコメントを控えた。


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