経済産業省は、4月15日(月曜日)に、第5回電力先物の活性化に向けた検討会を開催し、電力先物が抱える課題や今後の方向性について取りまとめました。市場参加者の裾野を広げる取組や、電気事業者のヘッジニーズに応える市場運営など、取引活性化に向けた取組を加速させます。

  • 背景・趣旨

電力小売の自由化に伴い、電力価格変動リスクを回避するため、電力先物の取引を開始してから約4年が経ちました。日本の電力先物における取引参加者数及び取引電力量は徐々に増加しており、電力先物は、電力事業者における価格変動リスク回避や電力取引の価格指標として有力なものとなりつつあります。
エネルギー政策上も電力先物を維持・活用することが必要であることから、この度、第5回目となる電力先物の活性化に関する検討会(以下「検討会」という。)を開催しました。

  • 電力先物の活性化に向けた検討会のとりまとめ概要

第5回検討会では、これまでに議論してきた様々な取組を含む電力先物の実態や必要性等についての認識を一致させた上で、電力先物の活性化に向けて今後の方向性を提示しました。

今後の電力先物の活性化に向けた方向性

(1)電力先物が果たすべき役割の認識統一

・電気事業者は、市場リスクや取引相手の信用リスク等の様々なリスクの他、再生可能エネルギーの拡大や世界的なLNG需給のひっ迫等による経営環境の不確実性の増大という問題に直面しています。

・電気事業者のリスクマネジメントに有効なヘッジツールは複数存在しており、それぞれの特徴を踏まえると、電力先物は中長期~短期のリスクヘッジに適すると整理されました。

(2)市場参加者の裾野拡大

・電力先物は、電力事業の実態、グローバルな燃料市場、金融実務等の複層的な知識が求められることもあり、電力先物のメリットの理解が進んでいない企業が存在する可能性があります。そのため、取引所等の市場運営者に、電力先物の普及活動を求めました。

(3)新規参入の阻害要因に対する業界の取組

・電力先物における新規取引参加者を増加させるために、取引所等の市場運営者に、電力先物を導入する際の優良事例共有等を求めました。

・電力先物への参入障壁として、例外的な会計処理であるヘッジ会計の適用が電力先物では認められにくいという声が挙がっていることを踏まえ、電力先物におけるヘッジ会計の適用に向け公認会計士等を巻き込み議論を行うよう、商品取引所に求めました。

(4)現物の商流を踏まえた先物の設計、財務規模の大きい金融機関の清算参加
・電力先物が有効なヘッジツールとして電気事業者から選ばれるためには取引市場に流動性が必要です。電力先物の更なる流動性の拡大の主なポイントは、(1)現物の制度や商流を踏まえた先物市場の設計、(2)財務規模の大きい金融機関の清算参加です。

・取引所等の市場運営者に電力の先物取引と現物取引の連携深化や金融機関が電力先物市場へ参入しやすい環境整備を求め、金融機関に対し清算機関の清算参加者としての参加を求めました。

関連資料

電力先物の活性化に向けた検討会とりまとめ関連資料

https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240415002/20240415002-1.pdf

関連リンク

電力先物の活性化に向けた検討会 とりまとめ

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/electricity_futures/20240415_report.html

配信元企業:経済産業省

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