通算4ユニット目。

ウクライナの防空能力の低下はかなり深刻

ドイツ国防省は2024年4月15日ウクライナに対し「パトリオット」ミサイルシステムの1ユニットの追加供与を行うと発表しました。

このパトリオットミサイルシステムの供与はドイツ連邦軍で余剰となっているものが対象になるようで、同国国防省はプレスリリースで「引き渡しは直ちに開始される」としています。

また、ボリス・ピストリウス国防相は今回の供与に関して「都市やインフラに対するロシアのテロは、計り知れない苦しみをもたらしている。国民のエネルギー供給を危険にさらしウクライナ軍の作戦準備に重要な産業施設を破壊している。だからこそ我々は、新しいパトリオットの射撃ユニットでウクライナを支援している」と話しました。

2024年4月15日現在、アメリカから1ユニット、ドイツから2ユニットのパトリオットミサイルシステムがウクライナに供与されています。しかしこのうち1ユニットは、発射装置の一部が、ロシア軍の攻撃により完全破壊ではないものの損傷しています。

これに加え、ここ数か月間続く弾薬不足によりウクライナ防空網は弱体化しており、4月11日未明にはキーウ近郊で最大規模の電力供給源であったトリピッリャ火力発電所が空爆によって破壊されるなど、インフラに大きな影響が生じています。こうした深刻な状況を少しでも改善するため、今回ドイツパトリオットミサイルシステムの追加供与に踏み切ったとみられます。

「パトリオット」ミサイルシステム(画像:ドイツ連邦軍)。