長谷川博己主演の日曜劇場アンチヒーロー」(毎週日曜夜9:00-9:54※初回は夜9:00-10:19、TBS系)の第1話Episode 1 -接点-」が4月14日に放送された。同ドラマは、長谷川が7年ぶりに日曜劇場で主演を務める、日本の司法組織を舞台とした“逆転パラドックスエンターテインメント”。「正義の反対は、本当に悪なのだろうか」ということを視聴者に問い掛け、スピーディーな展開で次々と常識を覆していく。第1話は、弁護士の明墨(長谷川)が町工場の社長殺人事件の被告人を“無罪”にすべく動き出す。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】主人公の同僚弁護士役を演じる北村匠海

■“アンチ”な弁護士を演じる長谷川博己をはじめ、個性派俳優が大集結

長谷川は「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士を演じ、主人公と同じ法律事務所で働く同僚弁護士役で北村匠海堀田真由、パラリーガル役で大島優子、東京地方検察庁の検察官役で木村佳乃、検事正役で野村萬斎が出演。

さらに、7作目の日曜劇場出演となる相島一之、「小さな巨人」(2017年)にて長谷川と共演歴のある神野三鈴のほか、小松利昌、近藤公園、松角洋平、馬渕英里何、宮尾俊太郎、山本浩司、吉永秀平と名バイプレイヤーが集結。

また、林泰文、安藤彰則、井上肇、内村遥、河内大和、迫田孝也、須田邦裕、砂田桃子、高木勝也、谷田歩、珠城りょう、馬場徹、和田聰宏、渡辺邦斗が「VIVANT」(2023年)以来の日曜劇場出演となる。

そのほか、近藤華、山下幸輝、渡邊圭祐、沢村玲、十文字陽菜、田中真琴、搗宮姫奈、諸星すみれといった若手俳優陣や、各方面で活躍中の朝夏まなと一ノ瀬ワタル、s**t kingz・小栗基裕、田島亮、浪川大輔早見あかり、前原瑞樹、水野勝が日曜劇場に初出演。

主題歌は、今春デビュー5周年を迎えたmiketの「hanataba」。メインテーマは、「ソードアート・オンライン」シリーズや「鬼滅の刃」シリーズの劇伴を手掛け、海外でも高い評価を得ている作曲家・梶浦由記が担当。

■証拠と証言がそろっている事件だが、明墨が狙うのは“減刑”ではなく“無罪”

第1話で明墨が取り扱うのは、町工場で起きた殺人事件。被害者は社長の羽木朝雄(山本)で、被告人は従業員の緋山啓太(岩田剛典)。第一発見者は同従業員の尾形仁史(一ノ瀬)で、工場にメガネを忘れ、取りに戻った時に社長と緋山の言い争いを目撃し、その後、悲鳴を聞いて駆けつけると、社長が自宅の方で亡くなっているのを発見したという。

現場に残された被告人の指紋、防犯カメラの映像、被害者の爪の間から検出された被告人のDNA、そして目撃証言。検察側はこれらを証拠に裁判に臨む。

新人弁護士・赤峰柊斗(北村)は“どうやって減刑を取りにいくか”が争点になると考えるが、明墨が考えるのは“減刑”ではなく“無罪”を勝ち取ること。

■被害者の家族でさえも弁護側の証人にしてしまう明墨

明墨の持論は「証拠の数は多ければ多いほどいい」。その心は、「証拠の数が多いのは、強い証拠が見つかっていないから」だという。

まさに今回の事件も、指紋や防犯カメラの映像などはあるが、犯行に使われたであろう凶器、出勤時に着ていたが退社時に着ていなかった上着(返り血を浴びていると予想できる)といった強い証拠はまだ見つかっていない。

一方、明墨は利用できるものは何でも利用する性格。弁護士であることを明かさずに第一発見者に接触し、ギャンブル癖があることにつけ込んで、より詳しい話を聞き出したり。証言能力がまだなさそうな被害者の幼い息子を証人として召喚するなんてことも。しかも、息子を証言させるために、母親に対して少し“脅し”的なことも平気で行っていた。

■評決は次回に持ち越し、新たな証拠提出で検事側が逆転を狙う

第一発見者の証言を覆し、新たな証人(息子)の発言で“無罪”を印象付ける。「依頼人の利益のために力を尽くす。それが弁護士です」と明墨は自分のやり方が正しいと言い放つ。

まさに明墨の思惑通りに進み、検察側はぐうの音も出ないほど追い込まれていった。

普通なら、「冤罪になりそうな被告人が救われた」という展開になるところだが、そうではなかった。終盤、明墨は緋山が社長を殺害したことが分かっているような口ぶりを見せている。人を殺したと分かった上で、検察側の証言をひっくり返し、あらゆる手段をこうじて“無罪”へと導こうとしていたのではないだろうか。

今回の事件は第2話へと続く。検察側は“凶器”を発見。確固たる証拠で、今度は明墨をひっくり返そうとしている。まさに「正義とは?」「悪とは?」と考えさせられるシーンの連続。果たして評決は。

視聴者も「主人公の振り切った感じが最高」「主人公は過去に何らかの冤罪に巻き込まれたりしたのかな?」「正義も悪も、曖昧な境界線のもとにあるから、どっちが正しいのかまだ分からなかい。はっきりとした勧善懲悪じゃないところが、この物語の面白いところだと思う」と第1話から明墨のやり方やその人物そのものに興味を持ったようだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

新日曜劇場「アンチヒーロー」がスタート/(C)TBS