中国メディアの南方都市報は16日、北京市で行われたハーフマラソン大会の八百長疑惑をめぐり、当事者のケニア選手の発言を報じた。

今月14日に行われた大会では、中国の何傑(ハー・ジエ)がゴール前でケニアの3選手を抑えて優勝したが、映像ではケニアの選手らが何傑に向かってゴールを指さし、手のひらを前にパタパタと降って「先に行け」と促すかのような様子が見られた。これが物議を醸し、大会組織委員会が調査を開始する事態に発展した。

当事者のケニア選手の一人、ウィリー・ムナンガット(Willy MNANGAT)はこのほどメディアの取材を受けた際、「確かに彼に優勝を譲った。友人だからね」と発言。さらに、「私ともう二人(のケニア選手)は何傑に中国記録を破らせるためのペースメーカーとして契約したランナーだ」とし、過去に江蘇省無錫市で行われたフルマラソンでも何傑のペースメーカーを務め、その際は何傑が中国記録を更新したと明かした。

ムナンガットは「私は彼(何傑)のライバルではなく、彼がペースを維持するのをサポートする立場。私の仕事は彼のペースを安定させて、勝利の助けをすることだったが、残念ながら彼は中国記録を破るという目標の実現には届かなかった」と語った。

しかし、レース当日、ケニア選手らはペースメーカーとしてのユニフォームではなく、出場選手のユニフォームを着用し、出場登録の番号が記されたゼッケンも付けていた。これにはムナンガット本人も驚いたといい、「どういうことなのかよく分からなかった」と回想。ただ「優勝を譲ったことで経済的な見返りを受けたわけではない」とも補足した。

騒動についてワールドアスレティックス(世界陸連)は「地方当局が現在調査を行っていることを知っている。競技の公平性は最優先事項である。調査が進行中であることから、現時点ではコメントはできない」としている。(翻訳・編集/北田)

中国メディアの南方都市報は16日、北京市で行われたハーフマラソン大会の八百長疑惑をめぐり、当事者のケニア選手の発言を報じた。