高橋遥人893日ぶりに実戦マウンドに立った(C)産経新聞社

 昨年6月に受けた「左尺骨短縮術」及び「左肩関節鏡視下クリーニング術」からの復活を目指している阪神の高橋遥人4月17日鳴尾浜球場で行われたファームでのオリックス戦に先発登板し、893日ぶりに実戦復帰を果たした。

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 先頭の1番・杉澤龍をピッチャーライナーに抑えると、2番の山足達也は右翼への安打で出塁を許して一死一塁となったが、続く3番の横山聖哉は低めのツーシームで空振り三振を奪い、スタンドから大きな拍手が起こった。

 4番のコーディ・トーマスを遊ゴロに打ち取ると、この回でマウンドを降りた。ストレートは最速147キロを計測し、1イニング16球を投げて1安打無失点という内容だった。

 このピッチングを見たファンからはSNS上で「遥人、ナイスピッチング」「よく帰ってきてくれた」「直球のノビがエぐい」と喜びの声が上がった。

 高橋は今季から育成契約を結び、背番号は3ケタの「129」となった。2021年11月6日のクライマックス・シリーズ第1ステージ、巨人戦(甲子園)以来となる実戦登板は、試合前から熱気に包まれていた。一部スポーツ紙によると、球場には早朝から開門を待つファン180人ほどの長蛇の列ができたという。

 阪神は現在リーグ4位で、6勝8敗2分けで借金は「2」という状態だ。左の先発ローテは伊藤将司大竹耕太郎の2枚だが、伊藤は4月10日の広島戦で自己ワーストタイの6失点で2回KOとなり、防御率「8.00」。大竹に関しても同13日の中日戦で四球から3連打を浴びて6回途中でKOされ、防御率は「5.06」となっている。

 先発の軸である左腕ふたりが、昨季よりも安定感に欠けた投球が続く中、同じ左腕である高橋の復帰へのプロセスはチームにとってカンフル剤となるだろうか。

 今後順調に段階を踏んでいければ、高橋の支配下復帰はそう遠くはない。ファンとチームの期待を胸に、2017年のドラフト2位左腕が甲子園のマウンドへ向けて確実に前進している。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【阪神】高橋遥人の復活登板はチームのカンフル剤となるか 「直球のノビがエぐい」ファン歓喜の左腕にかかる期待