The World AI Creator Awardsは4月14日、世界初のAI美人コンテストを開催することを発表しました。近年人気の高まっている人工知能によって作られたモデルやインフルエンサーが“ミスAI”の称号を競い、賞金は総額2万ドル(約310万円)以上となります。

【画像】2人のAIを含む審査員4人

●エントリー資格は「100%AIで生成されたもの」

 “AIクリエイターの功績をたたえる”として開催が発表されたこのコンテストでは、AIで作られた女性モデル/インフルエンサーの美しさや身のこなし、また従来のミスコンで見られるような「世界をより良い場所にするための夢を1つだけ挙げるとしたら何?」といった古典的質問への回答も審査基準に。さらにSNSでの人気や影響力、クリエイターがどのような技術を用いて“彼女”を作成しているかなども判断材料となります。

 賞金は上位3人へ贈られ、優勝者は同コンテストのパートナーであるAIコンテンツを提供するサブスクリプションプラットフォーム「Fanvue」から賞金5000ドル(約77万円)が贈られるほか、同プラットフォームでのプロモーションやPRサポートを得ることができます。

 参加資格はSNS上ですでに活躍しているAIモデルのクリエイターであることと、18歳以上でそれを証明するものを持っていること。またどのようなツールを使っても構わないが100%AIで生成されたものでなくてはならないとのことです。公式サイトの「Enter Miss AI Now」からエントリーでき、優勝者は5月10日に発表。オンライン授賞式が開催される予定です。

 このほか、The World AI Creator Awardsでは男性のAIモデル/インフルエンサー向けのコンテストやファッションコンテスト、より多様な大会も予定しているとのことです。

●すでに人気を得ているAIモデル

 近年、AIモデルやインフルエンサーの人気は急上昇しています。同コンテストの審査員も務めるアイタナ・ロペスは、スペイン在住の25歳でピンク色の髪が特徴のインフルエンサー。健康的な笑顔やセクシーな下着姿に魅了される人が続出し、彼女のInstagramアカウントは記事執筆時点で30万人以上のフォロワーが存在しています。日々さまざまなファッションを楽しみ、ワークアウトにいそしんだり旅行へ行ったりするアイタナの投稿があまりにもリアルで、実在する女性だと勘違いした有名人がDMで彼女をデートに誘ったというエピソードもあるほどです。

 彼女を“作成”したスペインのAIモデルエージェンシー「The Clueless」は、生身のモデルやインフルエンサーが原因で多くのプロジェクトがキャンセルされたり滞ったりと苦境に立たされたことがAIモデル誕生のきっかけであったと明かしています。

 生身の人間ではないアイアナには報酬の支払いが発生せず、気まぐれでドタキャンをしたり契約に反したりということもなく、世間からどれだけ批判され悪意あるコメントを書き込まれても感情を揺さぶられることはありません。アイタナは企業とのタイアップなどで、平均月3000ユーロ(約49万円)の収入があるといいます。

 また、アイタナ以外にも審査員としてもう1人、AIインフルエンサーであるエミリー・ペレグリーニも。彼女はクリエイターがチャットGPTで「平均的な男性が理想とする女性」について尋ねたところ、「茶色の髪で足が長い」との回答を得てそのまま作成したとのこと。リアルで好感度が高いことを目標に作られており、Fanvueに登場した最初の6週間で1万ドル(約150万円)以上を稼ぎ出したとのことです。

 そのほか、実在する生身の人間である起業家のアンドリュー・ブロッホ、美人コンテストの歴史家で作家のサリー=アン・フォーセットも審査員に名を連ねています。

大人気AIインフルエンサーのアイタナ(画像はアイタナ・ロペスのInstagramから)