矢野経済研究所(東京都中野区)が国内における2023年のスポーツ用内市場規模(国内出荷金額ベース)を調査した結果を発表し、前年比100.2%の1兆6493億1000万円であることが分かった。コロナ禍からの復調を支えた商品群で需要が一服した一方、競技系アイテムなどが成長をけん引した。

【画像】スポーツ用品の市場推移

 コロナ禍以降の市場を支えてきたゴルフ・アウトドアサイクルスポーツ・釣りなどのアウトドアレジャー系分野は、新規参加者数が落ち着き、需要が低減。コロナ禍の需要拡大に伴ってメーカー各社が生産量を増やしていたことから、23年は供給過多となり、販売単価が下落するとともに発注数も減少した。

 一方、コロナ禍で不振だったシーンを問わないアイテムが多いスポーツシューズ領域はコロナ前を超える規模に。競技系分野では、「サッカーフットサル」と「バドミントン」が好調だ。

 24年の市場規模は、23年比103.0%の1兆6984億4000万円と予測する。全17分野のうち「ラグビー」と「スキー・スノーボード」を除く15分野で、23年からのプラス成長を見込む。

 矢野経済研究所は「23年と比較して少子化がさらに進むことに加え、コロナ禍からの回復という、過去3年間と同様の成長要因が23年中にはほぼなくなる」と指摘。その上で、インバウンド需要の回復や、メーカーの値上げが市場を底上げする要因となり得るものの、その他の成長要因に乏しく、成長の先行きは不透明であるとコメントした。

 1~3月に調査した。対象はスポーツ関連企業・メーカー・卸売業・輸入商社・小売業など。調査形式は、同社の専門研究員によるオンラインを含む直接面談、電話によるヒアリング、ならびに郵送アンケート。

矢野経済研究所がスポーツ用品の国内市場規模を調査した結果を発表(出所:写真AC)