松屋は4月23日から、「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」を発売する。同社は2020年からさまざまな国の料理を期間限定メニューとして展開。今回が9カ国目となる。2月20日から約1週間テスト販売したところ、目標の1.5倍を売り上げたという。

【画像】松屋の新商品「ミエロニィハンバーグ」(全4枚)

 今回の新商品では、ポーランドの家庭料理「ビゴス」に着目した。ビゴスとは煮込み料理の一種で、現地ではザワークラウトやきのこ、肉などを数日煮込む人が多いという。同社販売促進企画部の熊谷雄樹さんは「今回の新商品はソースにビゴスの要素を加えています。その上でご飯に合わせるために、松屋流のアレンジを加えました」と説明する。

 ソースには牛・豚・鶏3種類の肉を使用し、深いコクを引き出した。マッシュルームを組み合わせることで、ビゴスらしさを表現している。また、オールスパイスやしょうゆ、隠し味のカレー粉により、ご飯に合う味に仕上げた。

 ソースで煮込んだハンバーグは、通常メニューと同じものを使用している。ご飯は白米ではなく、コショウを振りかけたバターライスで提供する。「濃厚なソースとのバランスを考え、白米をアレンジしました」(熊谷さん)。ポーランド風ミエロニィハンバーグにバターライスとみそ汁が付いたセット(830円)と、サラダを追加した定食(930円)の2種類を用意した。

●商品開発のきっかけは、1本の電話

 今回の新商品を開発するきっかけは、1本の電話だった。「23年12月に、ポーランド大使館から『ポーランドの食文化を日本で広めたい』という電話をいただきました」(熊谷さん)。同社は、これまで世界の食文化を紹介する期間限定メニューとして、8カ国の料理を展開してきた。特にジョージア郷土料理を再現した「シュクメルリ鍋定食」は大きな反響を呼び、4週間で目標70万食のところ、90万食を売り上げた。

 ポーランド大使館からの依頼を受けて、同社は開発に着手。数種類の試作品を元に、ポーランド大使館職員との打ち合わせを重ね完成した。

 商品名の「ミエロニィ」はポーランド語で「ひき肉」を意味する。ポーランド人を集めて試食会を行った際、「ミエロニィハンバーグ」という名前を提案された。「当初は別の商品名を予定していましたが、ポーランドの方が実際に食べた上でのご提案だったため、即採用しました」(熊谷さん)

 2月20日から1週間ほどテスト販売を実施したところ、目標の1.5倍の売り上げを記録。そこで、世界の料理を紹介する期間限定メニューとして、初めての全国販売に踏み切った。販売期間は4月23日から4週間で、目標販売数は80万食としている。シュクメルリ鍋定食の目標70万食を上回る数字だ。ポーランド大使館全面協力の新商品は、消費者の支持を獲得できるか。

松屋は4月23日から「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」を発売(同社公式Webサイトより引用)