ASMLは4月17日、2024年第1四半期決算を発表した。

それによると売上高は前年同期比21.6%減、前四半期比26.9%減の52億9000万ユーロ、粗利益率51.0%、純利益は前年同期比59.8%減、前四半期比67.3%減の12億2400万ユーロと、これまでの勢いから大きく減速することとなった。

また、新規受注額も前四半期の91億9000万ユーロから36億ユーロへと大きく減少。特に同社の最上位機種であるEUV露光装置の需要が低迷、前四半期の56億ユーロから6億5600万ユーロへと急減している。

光源別売上比率、適用デバイス別、出荷国・地域別、光源別売上台数を見ると、中国向けの出荷比率が米国を中心とする対中半導体輸出規制の強化が進む中において好調を維持。前四半期の39%から49%まで割合を高め、存在感を示している。2023年第1四半期の中国向け比率が8%であったことを踏まえれば、この1年での中国企業からの同社の露光装置の購入量の増加が目立つようになっている。その他の地域を見ると、台湾向けは、2023年第1四半期は48%を占めていたが、2024年第1四半期は6%まで減少している一方、欧州(EMEA)向けが前年同期の1%から20%まで増加している点が注目される。日本地域については、前年同期の1%が0%となっており、購入がなかったことが見て取れる。

同社のピーター・ウェンニンク最高経営責任者(CEO)は、「半導体業界が不振から回復を続けていることに伴い、2024年下半期(7-12月)は上半期(1-6月)よりも好調に推移すると見込んでおり、2024年通期の見通しは変更しない。生産能力の向上とテクノロジーの両方への継続的な投資により好況への移行の年になると見ており、好況へのサイクルの転換期に備える必要がある」と述べているほか、同社のロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)も「業界が好転していることは明らかである。2024年には半導体業界の回復が見られ、2025年はより好調な年になるよう準備を進めている」と述べている。

なお、同社は2024年第2四半期の見通しを総純売上高が57億ユーロから62億ユーロ、粗利益率が50%から51%の範囲と予想しているほか、2024年の総売上高については2023年と同程度との予想を示している。
(服部毅)

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