2024年4月18日、「UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも」が発売された。本作は、名作TVアニメ「UFOロボ グレンダイザー」を完全ゲーム化したタイトルだ。国内のみならず海外でも高い人気を誇る「UFOロボ グレンダイザー」のゲーム作品ということで、注目を集める本作。今回はそんな本作を先行プレイしてのファーストインプレッションをお届けしていきたい。なお、本記事はPS5版をプレイして作成している。

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原作は70年代の名作ロボットアニメ「UFOロボ グレンダイザー」!波乱に満ちたアツいストーリーから目が離せない!


本作「UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも」は、TVアニメ「UFOロボ グレンダイザー」を原作とするアクション・アドベンチャーゲームだ。「UFOロボ グレンダイザー」は「マジンガーZ」、「デビルマン」や「キューティーハニー」を手掛けた永井豪氏の原作によるロボットアニメで、1975年から1977年にかけて放送された。そんな「UFOロボ グレンダイザー」は、今年2024年夏にはTVアニメ「グレンダイザーU」として放送されることが決定している。約50年の時を経てのリブートということで、高い注目を集めているのだ。

 

 

正直に言うと、世代ではないこともあり、実のところ本作をプレイするまでTVアニメ「UFOロボ グレンダイザー」のことを知らなかった。しかし、結論から言えば、本作は原作を知らない筆者のようなプレイヤーでも十分に楽しむことができる作りとなっているのだ。というわけで、まずはそんな本作のストーリーから紹介していこう。

舞台は、ベガ星連合軍に滅ぼされたフリード星。地球へと逃亡したフリード星の王子、デューク・フリードは、宇宙科学研究所の所長・宇門源蔵に助けられ、地球人・宇門大介として暮らし始める。

 

 

しかし平和な生活もつかの間、ベガ星連合軍が地球にも襲い来る……。宇門大介は研究所の地中深くに隠されたフリード星の守護神・グレンダイザーに乗り込み、地球を守るため悪のロボット・円盤獣たちに立ち向かうのだった。

 

 

波乱に満ちたアツい展開の連続である本作の物語は、アニメ「UFOロボ グレンダイザー」シリーズの前半部分のストーリーを軸にして作られている。ストーリー中には、永井豪氏の原作を忠実に再現した会話シーンが展開されていき、まるでアニメの中に入り込んで物語を追体験しているかのようなプレイが楽しめる。本作の開発はフランスのゲームスタジオが手掛けているのだが、キャラクターボイスには日本語ボイスが収録されており、デュークをはじめとしたキャラクターたちが躍動感あふれる声で物語を紡いでくれるのも大きな特徴だ。

 

 

物語もさることながら特に気に入ったのは音楽だ。本作はゲームBGMとして、菊池俊輔氏によるアニメ「UFOロボ グレンダイザー」のテーマ音楽がアレンジされて使われている。このBGMがとにかくアツく、プレイヤーの気持ちをこれでもかと盛り上げてくれるのだ。原作ファンはもちろん、原作を知らなくても刺さりまくるBGMだ。

 

 

臨場感あふれる3Dアクション! ダイザーパンチやショルダーブーメランなど、数々の攻撃で敵を撃破せよ!


本作のメインとなるのは、三人称視点での3Dアクションパートだ。このパートではプレイヤーは、グレンダイザーを操作してフィールドを探索し、敵を倒しながらミッションをクリアしていくこととなる。広大なフィールドには木々や岩山、河川、線路や建物などがあり、巨大ロボであるグレンダイザーのスケールを感じさせてくれるとともに、「巨大ロボを自分の手で操縦している」という実感をもたらしてくれる。ダッシュの際などのコントローラーの振動も巨大ロボの重量感を受けられるものとなっており、あたかも自分がグレンダイザーに乗り込んでいるかのような臨場感があって楽しい。

 

 

グレンダイザーの攻撃の方法は多岐にわたる。基本となる近接攻撃のほか、拳をロケットのように打ち出す「ダイザーパンチ」、両肩にある三日月型ブレードを勢いよく発射する「ショルダーブーメラン」、両頭鎌の「ダブルハーケン」、胸から射出する光線「反重力ストーム」など、多彩な攻撃が繰り出せる。一般的なアクションゲームよりも攻撃の種類がかなり多めな印象で、覚えるのにやや時間がかかるが、個人的にはこの個性豊かな数多くの攻撃手段は、攻撃時に技名を叫ぶボイス演出とも相まって、実に「ロボットゲームならでは」な印象があり、世界観への没入につながる。

 

 

攻撃の種類が豊富というと操作が複雑なのではないかと思われるが、実際はそうではなく、どの攻撃もボタンひとつ、ないしボタン2つ程度の組み合わせで発動することができるので、かなりカジュアルにプレイできる印象を受けた。

一部の技の使用にはゲージが必要なものもあり、なんでもかんでも使い放題というわけではない。ゲージは敵と戦うことでたまっていくため、ゲージ管理が必要となってくる。このやりくりの要素がほどよいスパイスになっており、やりごたえのあるプレイにつながっている。

 

 

グレンダイザーゲージを消費することで、「自己修復」して体力を回復することもできる。
自己修復に回数制限はなく、ゲージさえあれば何度でも実行可能なので、これによって敵から攻撃を受けても簡単にダウンすることなくプレイを続けられる仕組みになっている。しかし、自己修復を開始して体力が回復するまでに一定の時間を要する点には注意が必要だ。敵に囲まれた状態で使ってしまうと、自己修復が終わる前に攻撃されてしまうため、使用前に敵とうまく距離をとったり、反重力ストームで敵の動きを止めたりといったテクニックが必要となる。

 

 

敵の中には、パンチやダブルハーケンなど特定の攻撃でなければダメージが通らないものや、反重力ストームでシールドを解除しなければ攻撃を受けないものなど、一筋縄ではいかない特性を持つものも多数存在して。ワンパターンな攻撃の連打では勝てない。このあたりの仕組みによって、アクションゲームとしてのやりごたえがたっぷり出ているように感じた。

 

 

本作には、スキルツリーによる強化・育成要素も存在する。敵を倒したり、フィールド内に置かれたオブジェクトを破壊したりすることで手に入る素材を使用して、グレンダイザーの各種装備をアップグレードできるのだ。

強化パターンも単純に威力がアップするだけではなく、ショルダーブーメランなら装甲のない敵を倒せるようになったり、反重力ストームなら当たった敵の硬直時間を長くしたりといった特殊な効果が付与される強化もある。

また、素材を用いて新たな技を習得することもできる。中でも敵の攻撃を当たるギリギリで回避することで放つことができる「ハンドビーム」は反撃手段として強力であるだけでなく、プレイ感としてもうまく決まったときは非常に気持ちが良いので個人的にイチオシだ。

とにもかくにも、強化を施すことでバトルの勝利が手堅くなることは間違いないので、ガンガン素材を集めてどんどん強化していこう。

 

 

アクションだけじゃない!3D&見下ろし型の2種類のシューティングパートも楽しめる

 

グレンダイザーを操作しての3Dアクションが本作のメインパートだが、本作にはシューティングのパートも存在する。このパートでは、円盤の形状をしたサポートユニット「スペイザー」とドッキングした状態のグレンダイザーを操作することとなる。画面は、画面奥に向かってスクロールする3Dシューティング形式となっており、その画面構成とスピード感も相まって、思わず体が動いてしまうほどの臨場感が楽しめる。

 

 

このパートでは、敵の攻撃を避けつつ、「スピンドリル」と「スピンソーサー」という攻撃を駆使して敵を撃墜していくこととなる。さらに、敵を攻撃してゲージをためると「メルトシャワー」という強力な攻撃を放てるようになるので、ここぞという局面で撃ちたいところ。なお、スペイザーは敵や敵の攻撃だけでなく、迫りくる隕石や左右に突き出した崖といった地形や障害物に触れてもダメージを受けてしまうため、注意深く避けていかなければならない。通常移動で避けるのに間に合わない場合は、「緊急回避」ボタンを押せばクルッと回転しながら素早く避けられるので、攻撃とともにこちらも活用していこう。

 

 

また、TFOという円盤型のメカを操作する2D型見下ろし視点のシューティングパートも存在する。こちらはいわゆる弾幕シューティング風のパートとなる。こちらも緊急回避を使ってうまく攻撃を避けながら進んでいくこととなる。ひとつのタイトルの中で3Dアクションのみならず、趣向が異なる2種類のシューティングまで楽しめるというのは、なかなか欲張りな仕様ではないだろうか。

 

 

「UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも」は原作ファンだけでなく幅広い層にオススメできるゲーム!

 

というわけで、「UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも」のファーストインプレッションをお届けした。自分が巨大ロボ・グレンダイザーを操縦しているような没入感が味わえる迫力満点の3Dアクション、2種類のシューティングパート、そしてアツいストーリーにBGM&ボイスと、遊びごたえも見どころもたっぷりな本作。

冒頭にも書いたように、今年はリブート版アニメも放送されるということで、原作未視聴の方は本作をプレイすることでリブートアニメに備えるのもアリだろう。原作ファンはもちろんのこと、ロボットアニメファンやレトロアニメファン、3Dアクション好きやシューティングゲーム好きまで、幅広いプレイヤーにオススメの作品となっている。

 

©Go Nagai/Dynamic Planning ©Dynamic Planning・TOEI ANIMATION

UFO ROBOT GRENDIZER – THE FEAST OF THE WOLVES.

Developed by Endroad. Produced and Published by Microids. Additional development by Microids Studio Paris.

Published and Distributed by 3goo K.K. in Japan.


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あの名作ロボットアニメがゲーム化「UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも」プレイレビュー!