スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕

ベテランから学生まで多くのドライバーがエントリー

東北地方のサーキットで開催される、軽自動車だけで争われるレースが「東北660選手権」。新規格軽自動車のNA車両で戦うレースですが、そのほかにもターボ車だけの「ターボGP」、HA36型スズキアルト」だけのワンメイクレースである「HA36カップ」、決勝200分の耐久レースなど5つのカテゴリーが用意されています。2024年シーズンが3月24日に開幕しましたが、今回は「東北660耐久レース」の模様をリポート。数周で勝利が決まるスプリントレースとは違う、耐久ならではの熱いバトルが繰り広げられました。

1クラス:20年以上戦うベテランマシンが貫禄の優勝

2011年から続く東北660シリーズ。合計5つのカテゴリーがあるレースのなかで、真っ先に開幕したのが耐久レースとターボGPだ。年式や過給機の有無に関係なく参加できる「東北660耐久レース」は、学生だけのクラスを含め22台がエントリーし200分後のゴールを目指す。

過給機が付いた車両で改造範囲の広い1クラスは、「スズキJ宮城&高橋Rカプチーノ」が1年ぶりに参加。この車両は東北660耐久レースの前身とでもいうべき、仙台ハイランドのKカー耐久レース時代からの古株で、少なくとも20年は現役でサーキットを走り続けている。

熟成されたマシンは今回も圧倒的な速さを誇り、予選は総合2番手に約5.7秒差の1分9秒073で首位を獲得。決勝も安定した走りで淡々とラップを刻み、総合優勝で幸先のいいスタートを切った。

2クラス:HA36アルトワークスが高い戦闘力を発揮

2クラスは東北660シリーズの全クラスに参戦する常連チームのひとつ「ZtoAUTO CSW 自動車部」が、2023年に参戦していたダイハツコペン」からHA36型スズキアルトワークス」にチェンジ。東北660耐久レースでは初めて登場するマシンで、燃費のよさを武器にどこまで総合優勝に迫れるかに注目が集まった。

軽自動車による東北660耐久レースの開幕戦リポート

今回はシェイクダウンで燃費の計算などデータ取りが主な目的だったが、終わってみれば総合2位で周回数は9ラップ差とまずまずの成績だ。ドライバーも東北660シリーズで活躍する経験者が揃っており、7月14日(日)の第2戦ではさらに戦闘力を高めてくるに違いない。

3クラス:トラブルを乗り越えて悲願の優勝

もっともエントリー台数の多い3クラスは、従来のMT勢と2023年から爆発的に増えたHA36アルトのAGS組によるバトルが繰り広げられた。混戦のなか見事ポール・トゥ・ウィンを果たしたのは、東北660の常連ドライバーが結集したARY 54の「形見エッセ」だ。

しかし順風満帆なレースだったわけではなく、前日の練習で横転し急遽L275型ダイハツ「ミラ」に変更。車両は2023年シーズンの東北660選手権・2クラスを制した小松日高のマシンで、ほかのドライバーもほとんどがL275ミラ乗りということもあり、すんなり順応できたのは幸運だった。

優勝の140周には少し及ばなかったものの、2位と3位はHA36アルトのAGSが独占する結果に。2位の「fixed STARS NEXZAS」は2023年の東北660選手権・4クラスと、東北660・HA36カップの2クラスでチャンピオンを獲得した猪又真輝を中心に、2024年シーズンの飛躍が期待される20代の若手ドライバーばかりを集めたチームだ。

3位の「ジジイでも走れるアルト」は、サーキットへ来る途中にエンジントラブルを起こし、同じチームである椎名栄一郎のHA36アルトを投入するという緊急事態となったが見事3位をゲットした。ちなみに3クラスは2位が138周で3位が137周、それ以降も4位の塩山自動車アルトが同一周回で、5位と6位も136周と最後まで目が離せない展開。次戦はどのチームが頭ひとつ抜け出すのか楽しみだ。

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1年ぶりに参戦して総合優勝を決めた350号車 スズキJ宮城&高橋Rカプチーノ。派手なルックスからは想像できないほど乗りやすいとか