長寿を求め、巴馬を訪れる人々にとっての聖地。それが神秘の鍾乳洞「百魔洞」です。日本ではありえない規模の広大で複雑な洞窟群は、主要な観光コースだけでも4km。洞窟の高さの平均は80メートルという広さ。1987年に訪れた英国の地質学者は「天下第一の洞窟」としの美しさを讃えました。

単なる観光地としても一見の価値がある百魔洞ですが、特筆すべきはその神秘的な健康効果です。ライトアップされた鍾乳石や石筍を見ながら奥へ進むと、「高地磁体験区」と書かれた看板があり、階段状になった石の上でたくさんの人たちが休憩していました。


山東省から来ていた66歳の男性は「巴馬に来てから半月、毎日6〜7時間は百魔洞で過ごしている。長年皮膚のかゆみや湿疹に悩まされていたが、ここにいるとかゆみが軽くなる。滞在予定は3カ月」と語りました。

「滞在予定は少なくとも1ヶ月。巴馬は空気がとてもきれいで、気温や湿度など全てが快適」と語ってくれたのは、河南省から夫婦で来ていた80代のご夫婦。


定年退職後に巴馬にきて、もう18年になるという貴州省から来た77歳の男性は、「脳梗塞も高血圧も高脂血症も改善した。胃腸や便秘も良くなった。100歳を目指してこれからもここに滞在したい」と語りました。

人々はなぜ百魔洞で長い時間を過ごすのか。それはこの地が0.58ガウスという強力な地磁気を発しているからです。高地磁気が心身に与える影響には諸説ありますが、ガイドの説明によると、睡眠の質の向上やストレスの軽減。血行の促進による代謝のアップ、免疫力の向上など、さまざまな効果があるとのことです。


「高地磁体験区」には軽食や生薬を販売する屋台もあり、多くの人は長時間の滞在をゆっくり楽しんでいました。私はここで、水汲みをしている人たちを発見。屋台で巴馬の名水のミネラルウォーターを購入し、中の水を捨てて、水を汲み直して一口試飲。販売されていた水よりも若干柔らかい印象でした。後から「汲んだ水は一度沸騰させないとダメ」と言われました。皆さんもご注意ください。ちなみに巴馬の名水は、地元の特産品としても販売されています。


「高地磁体験区」を抜けて外に出ると、そこは1立方センチメートルあたりのマイナスイオンの数が5万を超えるという天然の「酸素バーエリア」。体操や気功をする人、アウトドア用の椅子に座り、スマホでゲームをする人など、過ごし方はさまざまです。


この百魔洞の入場料は85元。長期滞在者は皆さん1カ月のフリーパスを購入して、毎日のように通っているとのこと。長期滞在者のほとんどは定年退職した高齢者です。数週間から数年の滞在を支える経済力にも、中国の大きな変化を感じた1日でした。(提供/CRI)

長寿を求め、巴馬を訪れる人々にとっての聖地。それが神秘の鍾乳洞「百魔洞」です。